愛の言葉 scene 3
□素直になれないわたしの小指
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「…ぁ……いたい」
「会いたい?」電話ごしの彼の声。
「ちがう!“痛い”って言ったの。今、右足の小指ぶつけたのっ」
「電話しながらウロウロしてるからだよ」と彼は笑った。
わたしも笑った。
きっと泣きそうな顔で、痛くもない小指をさすりながら。
優しく優しく撫でた。素直に会いたいと言えない意気地なしの自分の頭を撫でるみたいに。
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