番外編

□Early Christmas
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 私はそう彼に告げて再び玄関へを足を向ける。彼が不思議そうな顔をしたので、もう一つ荷物があるのだと付け足した。

「手伝おうか?」
「いえ、後一つだそうですから」

 私がやんわりと断ると、少し残念そうに彼は肩を竦めて見せる。私は彼に箱を開けてみる様に勧めてから、リビングを後にした。受け取りの際に念の為確認もしたが、陽丞達が送ってきた物なので、危険はないだろう。玄関を出たところで、箱を留めていたテープを剥す音を聞いた。

「お待たせ致しました」
「いえ、お手数をおかけ致します」
「それで、荷物とは…」

 そう私が訊ねると、先頭のロボットが後ろに居るロボットに合図を送る。控えていたロボットが荷物を取りに行くのを目で追っていると、大きなトラックが横付けされていた。荷物を取りに行った配達ロボットがトラックの陰に消える。間もなく何かを引き摺るような音が聞こえた。そんなに大きな荷物なのだろうか…。

 次に配達ロボットの姿が現れた時には、身の丈以上もある植物を引き摺っていた。木を根元から切った物の様で、幹を肩に乗せて運んでくる。担がれた木の先が地面を擦っていた。

「此方です、中までお持ちしますか?」
「いえ、私が運びますので」
「では私共はこれで、ご利用ありがとう御座いました」
「ご苦労様です」

 陽丞達は何故こんな切っただけの木を送って寄越したのだろう。よく分らなかったが、幹を肩に担いで屋内へと戻る事にした。広がった葉が玄関に引っかかるのを何とかやり過ごす。



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