◆◇series◆◇
□俺の可愛い妹
1ページ/1ページ
─Rei ver.─
※捏造のオンパレードです。注意して下さい。
家庭の事情でなんやかんやあって、幼い頃から俺と透と名前は一緒に暮らしてきた。
現在進行形で俺達は三人で仲良く一つ屋根の下で暮らしている……のだが、
『んん……れぇにぃ……』
「……こら、名前、……また部屋間違えたな?」
『ごめ、んぅ……すぅ…』
「あっ、…二度寝するんじゃない!ほら、遅刻するぞ!」
『やぁ……あと、5分だけ……』
パジャマが捲れ上がった所為で、ちらりと覗く白い腹。
溜め息を溢しながら捲れた所を直して布団を掛けた。
妹であり、家族である名前の存在が、俺の頭を悩ませている。
瓜二つの顔をした俺、降谷零と透は間違いなく血の繋がりのある兄弟だ。が、しかし、
「……5分、たったぞ?」
『零にぃさん……』
「………あと3秒以内に起きないと襲うぞ」
『ひぇっ?!…お、おきまひゅ!……痛い…舌噛んだ…』
俺達と名前の血の繋がりは、皆無だ。
『もーっ……そんな脅かさなくたって、ちゃんと起きるのに…』
「おはよう、名前。また零の布団に潜り込んだんですか?」
『潜り込んだって……間違えただけだもん!』
「どうせなら僕の部屋に来ればいいでしょう?何で毎回あいつなんですか」
『透兄さん…!ちょ、…もう…後ろからぎゅってされたら動けないってー!!…んぐぐぐっ……力強すぎ…っ』
「ふふふ、これでも鍛えてますからね…」
「こら!二人とも、早く準備しないと遅れるぞ!…透、いつまでくっついてる気だ?早く離せ」
「零、……男の嫉妬は醜いですよ?」
「黙って準備できないのかお前は。そのお喋りな口に朝刊突っ込むぞ?」
『零兄さんも透兄さんも、笑顔で刺々しいオーラ放つのやめようよ……私にも突き刺さってるよ、きっと』
「…だ、そうですよ?」
「お前もな」
『お腹すいたなぁ…』
「……」
「……」
『透兄さん……フレンチトースト…』
「そんな顔されたら、断れないじゃないですか。待ってて、すぐ作りますから」
「そんな時間あるのか?」
「あれ?言ってませんでした?シフト変更があって、僕と名前は午後からですよ」
「……聞いてない」
『梓ちゃんが午後から予定があるからって、私と入れ替わったんだ!言うの忘れてた……ごめんね?』
「可愛いから許す」
「何だかんだ言いつつ、名前には甘々ですよね、貴方」
「お前にだけは言われたくない」
『もーっ!!また!すぐ喧嘩するんだから……零兄さんはそろそろ出ないとダメなんでしょ?』
「……あぁ、」
『ほら、ネクタイやったげるから……っと、きゃ!』
「っ……あぶな、いだろ」
『う、……ごめん』
頭から転びそうになった名前を抱き留めたら、腕にマシュマロのように柔らかな感触。眠気が一気に吹き飛んだ。
「…気を付けろよ?全く……危なっかしいな…」
『はぁーい………あ、このまま結ぶから、もう少しこのままで!』
もう少し危機感を覚えて欲しい。でないといつか理性が保てなくなる自信がある。
男は皆狼だってこと、名前はちゃんと理解した方がいいと思うんだ……が、
『できた!……零兄さん、いってらっしゃい!お仕事頑張ってね!』
「あぁ、……いってきます」
『あ、ちょっと待って!忘れ物!』
「忘れ物?」
ーーーちゅ、
『えへへ、今日も一日頑張れるオマジナイ〜…なんちゃって』
「……ふ、…頑張れそうだよ」
頬に残る、口唇の柔らかな感触に、思わず緩む口元。
まだ暫くはこのままでもいいか、とも思う。