手枷足枷、愛は鎖。
□愛と嫉妬
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気付いたら、うす暗い部屋に拘束されていた。
自分の精液に塗れていた体は綺麗にされていて
手はまだ縛られているけど鎖じゃなくて、ロープ。
冷たい石畳は、ふわふわの広いベッドに変わってる。
憂がしたのかな…
綺麗に着直させられた白い服を見て思う。
「憂…」
昨日はあんなことをされたけど。
僕も泣いて叫んだけど。
あの拷問は立場上…仕方のないことだったんだと思う。
どうしても、憂だけは拒絶できない。
憂は僕を認めてくれた。
捕虜の僕を対等に扱ってくれる。
そして何より暴力を振るわないし
僕を性欲処理の対象として見なかった。
――…憂だけが。
「……ふ…、憂…」
情緒不安定だ。完璧に。
涙が勝手に溢れてくる。
「うい…」
もう一度呼んでも
返事なんてないと分かっていたのに。
それがただ寂しくて、吐く息が勝手に震えた。
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