小説
□愛したっていいじゃないか
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「で、なんの話だっけ?蓮くん?」
この男は佐藤蓮。
大学2年で、顔はいい方だと思う。
「だから、恋人の話しですよ!」
蓮は少しイラつきながら言った。
「あ、そうだった。ごめんごめん。」
美佳は簡単に謝る。
「俺、どうしたらいいかわかんなくて。デートしたいけど、男同士でなんて周りの目がきついんじゃないかなって思うとこわくて。」
(デート、ねぇ)
美佳は頬杖をついた。
相談内容は「男同士でデートに行きたい}ということだった。」
そう、この佐藤蓮は同性愛者なのだ。
別に私は偏見など持っていないからいいのだが、
大抵は隠すのにそういう人からも相談されるところまで来てしまっているという事だ
このまま行くと“人を殺しちゃったんだけどどうしたらいい?”などの相談もきそうな気がする。
「てか、別に男同士で出かけたっていいじゃん。」
「でも、手とか繋ぎたいんです。人の前じゃできないでしょ。」
「うーん、だって、そういうことも承知の上で付き合ってるんだでしょ?」
「はい。」
蓮は少し身じろぎした。
「でも、あいつをこの世界に巻き込んだのは俺です。だから、デートできないとかそういう寂しい思いさせたくないです・・。
わがままだってちゃんと分かってるんですよでも・・・。」
蓮は俯いた。