くろ、しろ、あか

□2章:お墓参り
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――



『おはようございます』




今日はお昼出勤。



今のところ、書類整理のみ…なんだけど。



『………ねぇ、秀は??』



秀の姿が見当たらなく気配も感じない。



「あぁ、どこかでかけちゃったわよ。」



『ふぅん。』




「あら、何?まだシュウの事気になってる?」



『そんなんじゃないですよ!ただ、少し気になって…』



書類に目をやると、そこには

宮野明美…さん。




『…………』



「…………あれから、結構たったわね。」




あれから半年。



「…もう…あの時ホント大変だったんだから!未夢もいなかったし」



『…やっぱり』


アメリカで見た…新聞



“10億円強盗犯自殺…広田雅美”



組織にいた宮野志保の姉。



結局…助けてあげる事ができなかった。




“…ねぇ、もし…私に何かあったら…”



志保を…・・・・大君を…宜しくね?



これを最期に連絡が途切れた。




明美さんの死後、秀の事も気になったし


やっぱり組織を追いたかった。




死を…覚悟で





彼女…と両親の敵の為





上司に掛け合い今に至る。





ガチャ



「あ、シュウ!どこ行ってたのよ!」



「いや…ちょっとな」



今までも心を開いていたわけではないが、


…もう誰にも開かせまいと




強く、強く閉じてしまったみたい。





“…大君を…支えられるのは…貴方だけよ…未夢。”







明美の…言葉。





しっかり、守るよ―――――



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