くろ、しろ、あか

□4章:黒と接触
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「……由衣さん?…大丈夫?」



『……あ、あぁ』


そうだった、今は黒木由衣だったんだ。
なれない名前に…思わず反応できなかった。



目の前にある呑口議員の遺体。


「ホー、ではあなた方ですな?シャンデリアが落ちたとき、呑口議員の近くにいたのは」


帽子をかぶったでかい刑事さんがそう聞いたのは呑口の近くにいた数名。


そしてそっと警部さんに見つかるまいと哀ちゃんがコナン君の手をひっぱりどこかへ行く様子。


……そもそもこんな遺体みて驚かないなんておかしいよね。

何故呑口議員に用があったのか?
彼が殺されるとわかったから…?
正義感のつよそうなちょっと頭の切れる少年ならそんな情報が入れば乗り込むに違いないが、
だったらなぜそんな情報を知っていた?誰から聞いたのか…?
その中で一つ浮かんだ……


町中でみつけたポルシェ。
雪が荒らされたあと…
赤みがかかった茶髪が一本落ちていて、気になったものの…――


あの、灰原哀と名乗る女の子
ウェーブで赤みで茶髪…



まるで、


志保がそのままちっちゃくなったような


そんな感じがした。



まさか、そんな事あるわけない…そう…けどもしかしたら…?



もし、仮にそうだとしてあの2人も盗聴器をしかけたとしてバレていたとしたらジンなら気づくだろう…


だとしたら……




やばい。






そう振り返った瞬間だった。








ガチャ


『え…ちょっ‼なによ‼?』


“呑口議員が殺されたってホントですか?”


“すみません、事故の様子を詳しく!”


マスコミが押し寄せてきて中はごった返していてとてもあの小さな子達を探すのは不可能だった
















「おい!灰原!灰原ぁぁ!!!」


『コナン君!哀ちゃんがどうしたの!? 』



あれから少したって落ち着いてきたときに見えたのはコナン君のみ。



「灰原と、はぐれちゃったみたいで」

あははと笑うコナン君

『ほんとにそれ、はぐれたの?』

誰かに連れ去られたとか…そうじゃなくて??

気持ちだけが焦る


「いや、まだわかんねーけど俺とりあえず探してみる『待って!』」

『私、探すからコナン君はひとまず…どこか安全な場所にいて?』

「安全な…場所?」

疑問に思ったのか何か知っているのかわからないけどコナン君の目は小学一年生と思えないような鋭い眼をしていた


『うん。私このホテルしらみつぶしに探してくるから、なんかあったら連絡頂戴。いい?』

連絡先渡すのはいやだったけど今は仕方ない。また変えればいい話だ。

とりあえずコナン君とは離れて会場を出た。



もし、連れ去られたとしたら…考えられるのはやっぱりピスコ
そうなるとやっぱりさっきの哀ちゃんは宮野志保ってことになる。



とにかく、このホテルで人目につかない場所と言えば従業員裏
そしてホテルとしてもっとも人の出入りが少ないといえば…














―酒蔵―



基本夕方の、仕込みやお出しする以外ではほとんどと言っていいほど出入りはないはず
それなら監禁もしやすいし事件が起きた今そんな酒蔵に酒を取りに行く従業員なんていないだろう…それを利用したんだろ




RRRRRRRR

電話がかかってきたかと思えば登録していない番号。
ガチャ

『はい?コナン君?あの子、酒蔵だとおもう!前までは来たんだけど鍵がかかってて…』


≪うん!さっき灰原からも連絡き……おい!灰原‼奴らが来る!…逃げろ‼‼≫


『え?』

突然のコナンの叫びに思わず耳から携帯を通避ける。


奴ら…??ってまさか


『ちょっとコナn≪…未夢さんも早くそこから逃げて‼‼‼≫えっ』





どうして由衣じゃなくて…私の名前を…?って聞こうとするとスッと携帯を奪われ振り返る




カチャ



「……久しぶりだなぁ……







アドニス」





銀髪の……男








『……ジン……』







あぁ…なんて最悪なんだこの状態……





………秀ッ………









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