短編

□もしも赤井秀一が医者だったら…A
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秀一side〜



『遊園地??』



「そ!今度の土曜日!シュウ…休みだよね??』


『あぁ。』


俺の休暇の日にトロピカルランドへ行こうと未夢が言い出した。


どうやらリニューアルopenしたらしい……



しかも……


『3人……だと…??』


「そ!」


2人でデートをしたいのかと思えばそうではなかった。


「オバサンがね。その日どうしても用があるらしくてね。優一君を預かってほしいんだって」


優一とは…未夢の伯母の子ども。
従弟にあたるってわけか。


つまり……



『あぁ。あのガキか。』


「そんなこと言わないのっ!!」


一度だけ会った事がある。

……クソ生意気なヤツだ。
二度と会いたくない…そう思っていたが。


「伯母さんには昔お世話になったからさ、ね!」


と上目遣いで訴えてくる。


……そんな顔で言われたら断われねぇだろ。



仕方なく了解した。



「一泊だから…宜しくね!!」


一泊と聞いて思わず飲んでいたお茶を吐き出しそうになる。


『…っ!!それは良いんだが………しかし次の日は…』



俺の話を聞くまでもなく未夢は話を続ける。



「どうしたの?シュウ…」



『いや…別に』


完全に、忘れてる。


次の日の日曜日は……未夢の…22歳の誕生日。


そして俺たちが付き合って3年目。


ちょうどもうすぐで未夢は大学卒業だし、
色々……準備をしている。



まぁ、忘れてくれるとサプライズには効果的だ。





そして………






土曜日――



「未夢〜〜〜〜〜!!」

駅の改札前で手を振る優一。



「優一君〜〜〜〜!!」


優一君に向かって走りだして抱きつく未夢。


それを見て若干ポーカーフェイスが崩れてしまう。



「一人でここまで来たの??偉いね〜〜!」



「バーロォ。俺もうすぐ中学生だぜ?あったりめーだろ!」



2人の久々の再開を見る俺。



その視線に気づいた優一は…



「………まだこいつと付き合ってるの??」



マダコイツトツキアッテルノ



こんな小さいガキにそんなこと言われるとは……



ビリビリビリビリ


お互い目からレーザービームを発射していた



―――――――――――――――



「わぁ〜〜〜トロピカルランド久々だね〜シュウ!」


『あぁ。』


確か初デートで行って以来だから……



2年半ぶり?



「さぁ、未夢いこ!ミステリーコースターに乗りたい!」


間を優一に邪魔され、未夢が優一の手によって引っ張られていく



…………クソ。なんで俺がこんなガキに嫉妬してるんだろ



優一は俺の方を見て舌をだし、また歩き始めた








それからと言うものの………



ミステリーコースターも、観覧車も……


未夢の隣にいるのは…優一。




「シュウ?元気ないね…。乗り物酔いでもした?」


おとなしかった俺を未夢が話かけてきた。




「フン、乗り物酔いとかだっせー!!」


『…チッ』


思わず舌打ちをしてしまう。


「そんなこと言わないの!私飲み物買ってくるから2人はそこで待ってて!」

未夢はそういって自販機のある方へと向かった。



「………未夢の奴、まだこんなヤツと…



俺ぜってぇ負けねーからな!!」




『勝てるものならな。』


ガキからの挑戦状か。



「『フンッ!!』」


それからと言うものの、アミューズメント広場で射撃やレースやいろいろ優一と争っていた



挙句……




「2人共、仲良くなったのね!よかったあ!!」


この鈍感な彼女は気づいていないみたいだ。
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