短編

□もしも赤井秀一が医者だったら…A
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未夢side〜



時間は刻々と過ぎてゆき…



夕方〜〜〜〜〜


『あ〜楽しかった!ねぇ、優一君。今日何食べたい?』



「んーとねぇ、未夢の作った物なら何でもいい!」


『わぁうれしい!』

トロピカルランドを出て、歩道が青になって渡ろうと…



した時だった。


キィーーーーーッ




「危ない!!」

大型トラックが私達の方にものすごいスピードで向かってきたのを秀一が守ってくれた。



その大型トラックは20m先の柱に衝突して止まった。



………びっくりして声が出ない。



こんな事故を目の当たりにして驚いてる優一君。


秀一はその車にかけより、運転手に声をかけていた。


医者の………顔だ。



「未夢。近くのコンビニからAEDとってきてくれ」


『わ、分かった!』


その運転手はおそらく心停止状態。

秀一が心臓マッサージをしてる間に私は事情を説明してコンビニから借りてくる。


AEDを秀一に渡せばすぐに処置に取り掛かる。


暫くして救急車が来て…



「俺も一緒に同乗する事になったから先に帰ってて。」



『うん。』


……秀一は医者なんだ。仕方がない。



「優一。未夢を頼んだぞ。」



「お、おう」


そう告げ、秀一は救急車に乗って行ってしまった。





ガチャ



「『……………………。』」


家に着くまで何も言葉を交わさない。


『結局、スーパー寄るの忘れちゃったね…

家にあるものでいい?』


「うん!」


冷蔵庫を見れば……



『じゃがイモ…人参…玉ねぎ…肉あるし、カレーでもしよか!』



「げ、人参……」


優一君は人参が嫌い見たい


『好き、嫌いはダメよーーー??』


「……わかったよ。」


『じゃぁ手伝ってね!』


私はエプロンに手を掛けた。





暫くして出来上がり2人で先に食べ始める



「なー、未夢。」


無言だったのを優一君は切り出す。



「未夢はさ、さみしくないの?休みでも、急患とか、事故とかあれば行かなきゃだしさ。
そんなんで…別れたいって思った事ないの??」


小学生とは思えない質問。


暫く考える。

いや、性格に言えば考えたフリをする。


答えは決まってる

『…………。最初は思ったよ。デートしてても途中でシュウの携帯が鳴って、
そのたびに…「出ないで…」て思った。
別れたいとも思ったし仕事辞めてほしいとも思った



けど、秀一が医者だったから私達は出会い、

こうして付き合うようになった。


秀一が医者をやってなかったら出会わなかった。


だから思ったの、
秀一から医者って言う仕事を取れば終わりだなって……


だから自分もわがまま言ってられない。

秀一も今頑張ってるんだから応援してあげないとなって』




小学生には難しかったかな。


それでも黙って聞いてくれた。




「好きなんだな。あいつのこと」



『えぇ』


今回は即答で答える。


「そっか。」


その瞳はなんだか、悲しそうで……



いくら鈍感な私でもわかる。



心の中で「ごめん」ってつぶやく







―――――――――――
――――――――――
――――――――
――――――
―――




優一君を寝かしつけて寝室からそっとリビングに出る。



時計を見れば23:50分を示していた。



今日はもう帰ってこないかな…


私も寝ようと寝室に向かおうとしたときだった




ガチャ

玄関のドアが開く。




『おかえり』



「あぁ。」


『あのトラックの人どうなった?』


「助かったよ。命の別状はない」


『よかった〜〜〜』




カチッ カチッ


時計の音だけが聞える。



『あ、晩御飯まだでしょ?今あたため……』


言いかけた時に秀一に抱き寄せられ、バランスを崩す。


それによってカチッとリビングの電気も消える




『しゅ、シュウ??』


抱き寄せられ至近距離にいる秀一はなんだか息が荒い。



具合でも悪いのかな?


そう思って顔を覗き込む




「………3……2……1…」




プチッ


秀一の手によってつけられた電気

そして腕には大きな花束――




「Happy Birthday、未夢。」



『まさか、このために…??』


早く、帰ってきたの?



「あぁ。どうしても間に合わせたくて」



『ありがと。綺麗な花ね、これは……胡蝶蘭??』



「あぁ。」



胡蝶蘭――

花言葉は………



「貴方を…愛してます。これからも、永遠にな」



『…シュウ………私も。…大好き』



これからも、ずっーーーと、



永遠に。



心が通じたかのように私たちは



深い………長い、キスをした。











『ディナー??今日、夜勤じゃないの??』



朝食の出来事。今日は私の誕生日。秀一がディナー行こうと言い出した。



「そうだったんだが、昨日非番で出勤したから今日は定時で帰らしてくれるとさ」



ブラックコーヒーを飲んで落ち着く秀一。


『そっか〜〜ディナーか〜❤』


楽しみだな。



「いつごろ、出るんだ??」


今日は優一君が帰る日。空港まで送っていく。



『そぉーね、16時発の便だから12時にはココ出るかな。ホラ今Uターンラッシュで人多いし、早めに…ね!』


「うん………」



AM10:00


今日は遅めの出勤見たい。



「じゃぁ行ってくる」


『うん。18時に米花駅まえで』



「あぁ。」


秀一が外へ出ようとしたとき――



「待って!」


『??』


優一君が呼び止める


「下まで行く。」



そういって、秀一と共に外へ出た――


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