drrr novels

□アルファルド
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「なんで人間は他人を求めるんだろうね」

臨也さんに突然メールで呼び出された僕は今現在臨也さんの家にいる。

着くなりリビングのソファーで臨也さんに後ろから抱きしめられる形で座らされながら、僕は臨也さんのいれた紅茶を味わう。


「多くの人間が生き、社会を形成している世界で他者との繋がりなしに生きていくことなんて不可能だ、でもやっぱり人は人を求めているんだ」

唐突に、そして一方的に話し始めた臨也さん。
おそらく一人言、自己満足の類の話を黙って僕は聞く。

テーブルの上のクッキーに手を伸ばす。
さくさくとそれを咀嚼し、ベルガモットの爽快な香り漂う紅茶で口の中に残る甘さを胃に流し込んだ。

その間も臨也さんの話は続く。



「我思う、故に我ありって言葉があるけど、それだって他者がいなければ“自分”は成り立たないよね。自分が存在すること前提の話なんだけど」

「そうやって見ると個人とその他の関係は密接で、ある種依存する形で存在していると言っても過言ではないよね」


余裕を含んだ饒舌さとは裏腹に、腰に回された腕は強く僕を抱きしめる。


「嗚呼、人間は愚かだ」

「母親の子宮の中にいる時も、死ぬ時も、人間は結局は一人なのに」

「失うのが怖いと言うくらいなら最初から手にしなければいいんだ」

「でも、そのどうしようもなく弱い所だって俺は愛してる。人間が好きだということは常に変わらないさ」


「……臨也さん」


ティーカップをテーブルに置き、臨也さんの名前を呼んだ。

「……僕は貴方の側にずっといますよ。いなくなったりしませんから」

臨也さんは少し驚いた顔をした後、一層僕を抱きしめる腕に力をこめ、だったら俺が連絡しなくてもいつでもここにいてよ、そう不機嫌そうに呟いた。




アルファルド
(本当に寂しいと素直に言えない人だ)







―――――
帝人くんが大人。
臨也だったらなにかにつけて、理屈並べて言ってそうです。
それにしても偽物すぎる。

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