Love*Life

□怪獣たちのバスタイム
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毎晩、子供達の風呂の世話をするのは大仕事だ。
風呂の中では桜木が、風呂から上がると今度は流川の出番だ。
只今桜木家の浴室は大騒ぎの真っ最中。
「目ぇ閉じて、耳ふさげー」
「ジャーってする?ジャーってする?」
ギュッと瞼を閉じ、両手で耳を押さえた櫻太がビクビクと怯えている。
髪を洗うのは良いが、この泡を流す瞬間が子供にとってはちょっとだけ怖いのだ。
「ジャーするぞ」
笑いながら桜木はゆっくりと櫻太の髪にお湯をかけてやる。おしゃべりな櫻太もこの瞬間だけは無口になり、「はやくはやく!」と心の中で叫ぶ。
「ほれ、おしまい」
桜木の声にパアッと笑顔を見せる櫻太。
「交代な、よっこらしょ」
抱き上げた櫻太を湯船に入れると、今度は楓太を抱き上げる。しっかりとしがみつく楓太を子供用のイスに座らせる。
その姿をじっと見つめている櫻太。
「ふう、バンザーイ」
楓太がバンザイをしている間に、ぽっこりしたお腹やむっちりとした腕と足を手早く洗っていく。
「バンザイ終了。チンもちゃんと洗って…」
「ねえ、とーちゃん」
楓太のまだまだ小さく可愛らしいものを洗ってやると、湯船から櫻太が顔を出した。
「ん?」
「とーちゃんのちんちおっきいよー、なんでえ?」
確かに櫻太と桜木のそれは大きさも太さも全く違う。確かに気になるかもしれないな、と桜木は笑った。
「大人になればちんちはでかくなるんだぞ」
「モジャモジャも?」
「モジャモジャもだ。でっかくなれば、ちんちも勝手にでかくなる」
他にもでかくなる方法はあるが…と言うのは流石にやめておこうと思う。
すると突然、桜木の大事な所に感触が。
「…とと、ちんち……」
「コラ、ふう!ととのちんちは触っちゃいけねえんだぞ」
「なんでえ?」
それを聞くのは櫻太だ。
「何でって、とーちゃんのちんちに触っていいのはルカワだけなんだぞ」
「そーなのぉ?」
「そうだぞ」
櫻太の「なんで攻撃」が始まる予感。
桜木は先手を打つ事にした。
「何でかは、後でおとうに聞いてみろ」
「うー、わかったぁ…」
不満そうな顔をする辺り、やはり「なんでぇ?」と言いたかったのだろう。
ここは上手く回避できたが、その後がほんの少し不安になる桜木だった――。


そして案の定。
「ねえねえ、なんでとーちゃんのちんちはおとうしかさわっちゃいけないの?」
「は?」
ふかふかのバスタオルに包まれた櫻太が尋ねた事に流川は口をぽかんと開けた。
「誰がそんな事言った」
誰がなんて分かっているが確認したい。後の事もあるのだから。
「とーちゃん!」
当然、こんな事を子供に教えるのは桜木しかいない。
何を聞かれて困ったかは知らないが、自分へ突然投げてこられても困るというものだ。
「ねえねえなんでぇ?」
「お前だって触りたきゃ触ればいい」
「だってふうがさわったら、とーちゃん「だめ」っていったもん」
何を考えてるんだ、あのどあほうは。
櫻太はしきりに「なんでぇ?」を繰り返しているが、流川はその質問の答えを持ち合わせていない。
「ルカワ、ふう出していいか?」
ガラス扉の向こうから声がする。流川は櫻太に下着を履かせて立ち上がった。
「ねえねえ、おとうってばぁ!」
扉を開け、タオルを広げた所に飛び込んでくる楓太を受け取る。
そして桜木を呼んだ。
「桜木」
「ん、どうした?」
流川は桜木の耳元でそっと囁いた。

「後でコロス」
 

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