対照な春と夏
□君は誰が騎士か
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『好きです、スザクさん』
『ありがとう、僕も好きだよ』
ああ、また…
君は誰が騎士か
スザクさん。
私の好きは、貴方の好きとは違うのです。
貴方は、私を本当の妹のように愛し、護ってくださいます。
とても優しく、暖かな光のように。
でも、私の好きは違います。
私の好きは、もっとドロドロとした好き。
私だけを見て欲しい。貴方を私でいっぱいにしたい。
どうしようもない独占欲です。
決して満たされることの無い。
だから、ユフィ姉様の騎士になったときだって。
確かに、嬉しかった。
スザクさんの頑張りが、やっと認められたことが。
でも、それ以上に哀しかった。
七年前から想い続けていたのに、いとも簡単に奪られてしまったから。
日本の総督になって。
貴方は傍にいてくれた。
でも、貴方の瞳は私を映さない。
貴方が見ているのは、ユフィ姉様だけ。
同じ『好き』あっているのに。
そして、今度も。
テレビでは、繰り返し先ほどの――ルルーシュによる皇位強奪の映像が流れている。
その傍らの。
スザクさん
貴方は、また私を選んでくださらなかった……
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