鮮血のように真紅の花を

□風邪をひけば誰でも弱気になるものです
1ページ/7ページ

「…ん……あれ…?っ、ルルーシュ!?」


目が覚めると、大好きな君の、綺麗に整った顔が視界一面に広がった。


「おはよう、スザク。よく眠れたか?」


今にも吐息が重なりそうな距離で、ルルーシュが尋ねてきた。


「ん……あれ、僕…なんで寝て…」


ふと見回せば、ここは見慣れたルルーシュの部屋だ。そのベットで、僕は横になっていた。


さっきまで、生徒会室で仕事をしていたハズだが…


「急に倒れたんだよ。覚えてないのか?」


そう言われて、ふと今日は風邪をひいていたのだと思い出した。


「保健室は遠いからな。俺の部屋に連れてきたんだが…」


ルルーシュが上体を起こし、僕の上に馬乗りになる。


「…ごめん、迷惑だったよね」


「そんなわけないだろ」


彼はふっと笑った。


「でも、運んでくれたんだろ?重かったでしょ。ルルーシュ体力無いのに」


「お前、めちゃめちゃ失礼だぞ?」


そういって笑うルルーシュの瞳に、怒りの色は無い。


互いに、冗談だとわかって、くだらない応酬を繰り返す。


でも、この瞬間が、僕にとって最高に嬉しい瞬間だった。



.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ