鮮血のように真紅の花を
□天然な君に気付かせるには
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「ん…?」
気が付いたら、ベットで寝ていた。
生活感の薄い、見慣れた部屋。
よく見れば、そこはルルーシュの部屋だった。
しかし、何故僕はルルーシュの部屋で寝てるんだ?
記憶を辿る。
今日はロイドさんたちにお休みを貰って、クラブハウスに遊びにきた。
一緒にご飯を食べて、もう遅いから泊まらせて貰うことになって、10時頃にナナリーが部屋に戻って、ルルーシュと一緒にお茶を飲みながらテレビをみて…
そこで意識は途絶える。
もしかしたら、軍での疲れがでて、ふらっと倒れてしまったのかもしれない。
迷惑、だったかも…
また自分がルルーシュに迷惑をかけたかと思うと、悲しくなってくる。
彼には、編入以来、たくさんお世話になっている。
彼のおかげで生徒会に入り、大切な友達ができた。
学校にも、大分慣れた。
どんなに感謝しても足りない、大切な『親友』。
そう、『親友』なのだ。
僕とルルーシュは。
彼が優しくしてくれるから。
たくさん笑いかけてくれるから。
勘違いしていたかもしれない。
僕は、ルルーシュの特別、なのだと。
何度淡い期待を抱いたことか。
何度、隠そうとしても隠せない醜い感情を抑えつけたか。
僕は彼の『親友』。
いや、もしかしたら…それすら上辺だけかもしれない。
誰にも言えない不安。
友情を疑う醜さ。
同性相手に抱くには、強すぎる感情。
もうそろそろ…、限界かもしれない。
優しい『親友』の顔をするのは。
普段、ルルーシュが使うこのベッドで、寝ている。
それだけで、酔っ払うほどの変態じみた喜びが溢れるというのに。
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