鮮血のように真紅の花を

□君に秘める罪
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ゼロはそれを冷酷に見つめていたが、ふっと足をふると、スザクの頭を踏みつけた。


「ぐっ…、痛、痛いッ」


ぐりぐりと、床に頭をめり込ませるように動かす。


「痛い、痛ぁっ、旦那様ぁ」


痛みで、エメラルドから涙が溢れてくる。



「ごめ、なさぁっ!痛いですっ…ルル、様ッ」


その言葉に、ゼロの顔から表情が失せる。


乱雑に足をのけると、髪の毛を掴んで強引に引っ張り上げた。


「ぐぁッ」

「来い。お前ら、今日は解散だ」


スザクを引っ張りながら、ルルーシュが女たちに告げる。


「はい、ゼロ様」


スザクをちらちらと見てクスクスと笑いながら、部屋から出ていく。




「ゼロ、様ッ…!旦那様っ」


執務室の奥の、プライベートルーム。


ゼロがここに入るのを許したのは、契約者C.C.と執事のスザクだけだ。


窓の外の三日月が室内を照らし、シーツを蒼白く光らせる。


その上にスザクを突き飛ばすと、自分の上着を脱ぎ、ベッドに腰掛けた。


「旦那様…、ゼロ様」

「その名前で俺を呼ぶな」

「…っ…ルルーシュ、様」


震えながら呟くスザクの唇を、指先でなぞった。


そして、その指を首にかけ、力をこめる。


「スザク…、お仕置きだ。俺を辱め、俺の本名を晒そうとした」

「うっ、ルル、様ぁ…、違いますっ!違ッ」

「クスッ、……スザク…」


ゼロ――ルルーシュは、己のアメジストをふっと細める。


先程までの冷たさとは対照的な、暖かい視線。


優しい眼差しに、スザクは安堵した。



が、


「…っ…うぐっ、…ん、んーっ!」

「んぐ…っ、…スザク…」


急に、薄い唇を貪られる。


舌を深く絡ませ、息継ぎの暇さえ与えられない。


「スザク…」


凛とした紫は、スザクを掴んで離さない絶対の力。


心からの愉悦の笑みを浮かべて、ルルーシュはスザクを犯していく。


その裏に、一筋の悲しみを隠して。



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