全ての愛を君に捧ぐ

□恋愛プロセス第一歩!
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「謙也くんっ」
「おん?」
「君はさ…





僕とイグアナ、どっちが好きなのっ!?」
「…は?」







今日はせっかく不二が遊びに来たっちゅうに、生憎の雨。
俺は仕方なく予定しとったデートを諦め、不二を家に連れてきた。
部屋に着いたら不二は疲れからか俺のベッドで寝てしまい、暇を持て余した俺はスピーディーちゃんと遊んどった。




ほんで、二時間後。
寝とると思っとった不二が急に起き上がり、冒頭へと繋がる。


「な、なんや急に…」
「だって、僕が寝てるのに全然襲ってこないじゃない!」
「はぁ…?」
「男が恋人を初めて自室に連れ込む
 ↓
 疲れて恋人寝る
 ↓
 寝込みを襲う
 ↓
 初めての絶頂
これがお決まりだろ!だからわざと寝てたのに!謙也くんずっとイグアナに構ってばっかりでっ…」
「え、ちょお待ち!」


突然目に涙を浮かべ、声を震わせる不二。


…なんやこれ、めっちゃ可愛いんやけど!
守ってやりたいと同時に酷く虐めてやりたいちゅう加虐心もそそられる。

やばい。これはやばい。
いや、俺かて下心ゼロで不二を家に誘ったワケやないし!
むしろやる気満々や。ヤる気満々や。
せやけど、拒否られたらって考えると怖くて手が出せへんかった。



綺麗で無防備な寝顔が、何度俺のなけなしの理性を吹き飛ばしそうになったか。
目の前の不二は、分かっとるんやろか。


「それとも、何?謙也くんも襲われるの待ってたの?」
「へっ!?わっ…」

言葉と同時に、押し倒される。
こないに細い体のどこに力があるのか、力強く床に押しつけられた。


「まったく、はやく言ってよ」
「や、ちゃうしっ…」
「うあ、うわぁっ!」

せやけど、力の差は歴然としとって。
つよく肩を押すと、あっさりと形勢逆転できた。


「形勢逆転、やな」
「くっ…」
「さっきまでの威勢はどこ行ったん?」
「…るさいっ!」



薔薇色に染まった頬。
ゆらゆら潤んだ深海のような瞳。
それを縁取る長い睫毛。
床に散らばるミルクティー色の髪。




…ああ、マジでやばいわ。
これはもうええやろ。
不二かて襲われたいみたいやったし、据え膳食わぬは男の恥っちゅー話や!
いけ謙也!脱ヘタレや!





俺は意を決すると、ほんのりと湿った桃色の唇に自分のそれを重ねた。

「ん…」


一瞬触れて、すぐに離す。
もっと、とばかりに、不二の腕が俺の首に回された。
俺はもう一度口付けると、今度は舌で不二の唇をつっつき、挿入を試みた。


と、そのとき!
(おっと、ありがちなあおり文句やってツッコミはなしやで)
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