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□暁色の瞳
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"銀貨一枚で隣町まで護衛"

と書かれた看板を持った少女をカナの街で見掛けたことがあるだろうか。



最近の話。
人間が今まで協力して生きてきた精霊、魔物の魔力を奪ったことが原因で、彼らは人間に怒りを示して、すきあらば襲いかかってくるようになった。
森、海、山、空でさえも、人間がすきをみせれば魔物、精霊たちの餌食となった。
しかし、魔力を持つ人間もそれに対抗して戦ったり、時には大虐殺までも行ったことが5年ほど前に起こったというので、精霊、魔物たちの怒りは計り知れなかった。

そして3年前に火に油を注ぐ事件がおこった。

精霊諸島とよばれる、最南端にある精霊王たちが住まう精霊の島国から
精霊の大群が来て、近くの国(リベラ国)を滅ぼし、領土を拡大させたという。

これに震え上がる人間と、励まされた精霊や魔物たち。
このときの嘆く神アウラの悲鳴は彼女の魂をもつ者に深く鳴り響いたということは、本人以外知るものはいなかった。



そして今、隣町に行くにも人間で戦闘能力をもつものを
護衛につけて移動するのが当たり前となっている。
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