捧
□夏恋
1ページ/7ページ
夏と言えば海。
単純だ、と言われれば大人な俺でもイラつくもので。
こんな暑いのに節電の夏となってしまえば単純な考えにたどり着くのは当たり前だと、さもそれらしい理由をつけて渋る日吉を半ば無理矢理連れてきた。
もちろん他の部員など連れてくわけにもいかねぇから2人きり。
普通好きな奴と2人きりになったら柄にもなくドキドキしたりするだろ。
それなのに日吉はロマンの欠片も無ぇ。
「跡部さん...早くしてください」
「...ああ」
海についた俺たちは何をするでもなく眺めていただけだったが、それではつまらないと定番(?)のスイカ割りを始めた。
こんな簡単なものすぐ割れるだろうと甘くみていたのだが...。