マリオ短編
□Bad×Happy
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「ユンカ!!」
『あれ……ディメーンだ……』
床に血まみれで倒れるユンカ
ユンカの上半身を抱くディメーン
「いったい…何が…?」
ディメーンは30km離れた街までワープでお出かけしていた
帰ってきた頃には街が焼けていて、ディメーンとユンカの家も半焼していた
『……ヤミ…って……一族が…この街にやってきて…街の人を片っ端に…襲っていったの…あと…(私の友達のエマちゃんが…連れてかれちゃった…)』
「ヤミ一族…?」
『うん……ッ…!!』
「ユンカ…!体、痛むのかい…?」
『……たぶん…私は…助からないよ…』
「そんなこと言わないでくれよ」
ディメーンは今にも涙を流しそうな目をしていた
「2人で幸せになるって…約束したじゃないか……」
『……ごめ…ん…』
ユンカは咳き込む
口を抑えたユンカの手には血が付着していた
「…!!」
『……最後に…ディメーンに会えて…よかった…』
「だから…そんなこと…」
ディメーンは言葉に詰まってしまう
「なんで…ユンカがこんな目に……」
『…今までが…幸せすぎたんだよ…神様が嫉妬しちゃったんだよ…きっと…』
「……もっと…ユンカとたくさんの幸せを…見つけたかった…」
『…私も…もっと…ディメーンと…いっぱいキスもしたかった…ぎゅーっと…抱きしめてもらいたかった……死ぬ前だから言えるけどね…』
ディメーンはユンカが痛がらない程度にきつく抱きしめた
『…ありがとう…ディメーン…』
「ユンカ…先に行かないで…」
『……ごめん…』
「ユンカのいない世界に…生きてる意味なんて…」
『お願い…ディメーンは私の分まで生きて…』
「僕がユンカを失ったら…なんの為にこの世界に生きるのさ…!!」
『私の…ために生きて…』
「…ユンカの…ため…?」
『…私が見つけられなかった…世界を…見つけて…』
「見つけられなかった…世界…?」
『…ディメーンが…寿命で…いっぱい色んな世界を見たら…私に…色んなお話してね…』
「僕は…その世界を…ユンカと見たい…」
『……私も…ホントは……ッ!!』
ユンカはまた咳き込む
すると血がさっきよりも付着していた
「ユンカ!!ユンカ!!!!」
『…待ってるよ…ディメーン…』
ユンカはニコッと笑って…ふっと目を閉じた
「…ユンカ…?」
呼びかけても返事がない…
「嘘だろ…ユンカ…?」
返事は帰ってこない
「ユンカ!!ユンカ!!!!うわああああああああ!!!!」
返事が帰ってくることはなかった
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