スマブラ短編

□愛してるをもう1度
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―俺の嫁は、いわゆる普通の嫁だ。いや、でも、俺の世話をいつもしてくれるし、家事も完璧で、料理はうまいし、掃除もちゃんとするし、人付き合いも出来るし、いい嫁なのかな。



『これ、洗濯するやつ?』

「…うん」

『はいはーい』


ユンカは近くにある洗濯物をかごにいれた
アイクはソファーに座って新聞を読んでいた



―結婚する前から、喋るのがヘタな俺と話をたくさんしてくれてた。



『冬場の洗濯ってホント水が冷たくて嫌なんだよねー』

「…そうなのか」

『うん、手が荒れちゃったりするからねー…』


アイクはユンカの手をとり、じーっと眺めている


『荒れてるかどーか見てるの?』

「…ああ」

『まだ平気だよ』

「…なら、いい」

『じゃあ、洗濯すませてくるね』


ユンカは部屋を出て行った



―最近、よく、結婚する前や、した後の日常のことを思い出す。と、言ってもユンカは結婚する前から、たくさん俺に世話をしてくれた。俺がユンカにしてやれることは、ただ、愛してあげることぐらいだったと思う。好きはたくさん言ったし、キスもたくさんしていた。



『終わったっと』

「…おつかれ」

『うん、ありがとう!』


ユンカはニコッと笑う
そしてアイクと少しだけ間をあけてソファーにそっと座ってテレビをつけた


『あ、飲み物でも飲む?』

「…ああ」

『何飲む?』

「…レモンティー」

『うん、分かった』


ユンカは今度は台所に行って飲み物をとってきた


『はい、レモンティー』

「…ありがとう」

『どういたしまして!』


ユンカはレモンティーがはいったマグカップをアイクに渡した
ココアがはいったマグカップをテーブルの上においた

この2つのマグカップは付き合ってから始めて買った物だった

ユンカはそのマグカップを結婚した後も大事に大事につかっていた

少し、柄が削れてるところもあるが、目立つ傷もなく、何年も使ってるようには見えないぐらい綺麗なマグカップだ



―結婚した後を思い出す。俺は、ユンカに何かしてあげてるか…?なんだか恥ずかしくて、キスが出来なくなった。好きを言うことも恥ずかしくなり、ロクに名前も呼べなくなった。名前じゃなくて「なぁ」とかで、ユンカの名前をしばらく呼んだ記憶がない。



『ふぅ…ココア甘すぎたかな…』


ユンカは舌をぺろっと出す



―結婚する前は、そんな顔を見たら間違いなく可愛いと、口に出ていた。今でも可愛いと思うが、うまく口に出せない。









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