スマブラ短編

□愛を、愛を。
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狭い部屋に1人の女の子がいる
手が縛られていて自由に動けずにいた


『………』


どうしてこうなったんだろう


『ミュウ…ツー…』


たしかに私だけのものにしたかった
私だけ見て欲しかった
他のやつを見てほしくなかった


『どうして…』


私にもわからない
ユンカは泣いていた
泣かしたい訳ではない
泣いた顔を見たい訳でもない


『前の…優しいミュウツーに戻って…』


ユンカのお願いは出来る限り答えてあげていた
なのに…なぜ、体が動かない…


『あのね…私…お話するの好きだから…みんなとお話してたの…嫌な気持ちにさせちゃった…よね…』

「………」

『だから…ミュウツーが…乱闘に行ってる時だけにしたんだ…他のみんなとお話するの…』

「………」


私のことを気にかけていたのも分かる
ホントにいい彼女だって知っている
分かってる、分かってるはずだった

私はシャドーボールを出し、ユンカに直接ぶつけた

ユンカは床に倒れ込んだ


『ク…ゥ…うぅ…』


ユンカの辛そうな顔も見たい訳ではない!
なぜ私はこんなことをしているのだ…


『…ミュウ…ツー…』

「………」

『…好き…よ…』


何故、こんなことをした私をまだ好きという…?


「…お前は…」


ようやくしゃべりだす私にユンカの体がピクンと反応した


「…お前はなぜ…私を狂わせようとしている…?」

『…狂わせ…ようと…?』

「私の世界が…ユンカのせいで歪んでいく…」


私はその場にあるナイフをユンカの背中に刺した


『い…』


ユンカはもはや言葉も出ていない
何故…私はユンカを傷つける…?


『………ミュ…ウ……ツー…』


喋るのも辛いはずなのになぜ喋り続ける…?
やめろ…それ以上私を狂わせないでくれ…


『……わ、たし……が…も、う……狂って…るの……かも……』

「…何を言う」

『こん、な…状…態……で、も……ミュウツーが……好き……な…の……』

「……ユンカ…」


私は震えていた
自分でも分かるほど震えている

何故震えているのか分からない
私は…何故…


『……ミュ…ウ…ツ…ゥ……』


ユンカは私が刺したナイフを抜き私に近づいてくる

そして私を抱きしめてきた


『……心…配……した…んだよね…心配…して…く……れて、た…だよ…ね……』

「………」

『ここ…に…私を…閉じ込めて…ミュウツーだけの…に、して…くれた…んで、しょ』

「…やめろ…」

『こ…れから、は……ずっと…一緒よ……ミュウ…ツーが…思って、る…こと……分かった…から……』


分かっている…分かっていた…
私が全て間違っていること…


『……ミュ…ウツー…』

「…ユンカ」

『…好きよ…』

「…私もだ」








おまけ(?)
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