マリオ短編
□メルト
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今日はディメーンにお願いして少し人込みのショッピングに行くことになった
彼は人込みが嫌いだから「嫌だ」というと思った
けど何もなんの間もなく「いいよ」と言ってくれたから、ずっと楽しみにしていた
…朝、目が覚めた
真っ先に思い浮かぶ、ディメーンのこと
今日のために、おもいきって前髪を切った
「どうしたんだい?」って聞かれたくて
ピンクのスカート
普段は絶対にしない格好をしてみた
『よしっ…』
意気込んで頭にお花の髪飾りをつけた
そして外へ1歩踏み出した
『(今日のウチは可愛いんだ…今日のウチは可愛いんだ…!!)』
と、心の中で何度も唱えた
待ち合わせ場所につくとディメーンは先にいた
ディメーンはこっちを見ると目をそらした
でもすぐにこっちを向いてふわふわ飛んでこちらにやってきた
「どうしたんだい?いつもと雰囲気違うからユンカじゃないと思ったよ〜」
『そうかな?ふふっ』
「いつも可愛いけど今日は特別に可愛く見えるよ」
ディメーンにそんなこと言われると溶けちゃいそうだよ
変わりに「好き」って言ってやろうかと思ったけど言葉が引っ込んじゃってなかなか出てこない
だけど…やっぱり溶けちゃうよ
嬉しいけど、なんか恥ずかしくて、目も合わせられないよ…//
「じゃあ、そろそろ行くかい?」
『う、うん!』
やっぱり、ディメーンのこと…好きだよ!
2時間ぐらいたったかな
時間がたつのが速く感じるなぁ…
[ぽつ…ぽつ…]
『あ、雨!?』
「濡れちゃうね…ちょっと雨宿りしようか」
『う、うん!』
近くの屋根の下にはいった
雨はだんだん本降りになってきた
…折り畳み傘持ってきたけど…なんで今日に限って雨降ってくるんだろ…
ついてないなぁ…
『はぁ…』
「あ、なんだ〜ユンカいい物持ってるじゃ〜ん♪」
『え…?』
「しょうがないからはいってあげるよ〜」
ディメーンはいつもニコニコしてるが更に笑顔でウチの持ってた折り畳み傘を広げた
『え、あ…』
[コトンっ…]
何かの音がした
…分かった
初めて聞いたからわかんなかったけど…
こういうのを
「恋に落ちる音」って言うのかな?
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