マリオ短編

□メルト
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しばらく相合傘で歩いていた
ウチの左肩が少し濡れてるけどそんなのも気にならないぐらい緊張する…


「あ、ユンカ…肩濡れてるじゃないか〜」

『え、あ、うん…』

「もっと近くにおいでよ」


そういってウチの右手を取ってディメーンと手を繋いだ


『(あぁぁ…息が詰まりそう…!!)』


右手も緊張で震えてきちゃった…!!
胸が…張り裂けそう…!
この傘だけで…こんなに緊張するなんて…

…ディメーンともっと進展するのはそう遠くないかも…
もぅ、手を伸ばせば届きそうな距離…

もっとディメーンと仲良くなりたい…!
ウチの想い届けー!!









2人で歩いていたら
気づけば晴れていた

手を繋ぐ理由もないので
手を離してしまった
なんか…手が寂しいな…

そして綺麗な夜空が顔を出した


『すごい…星が綺麗…!』

「そうだね〜」

『あ…もぅ9時かぁ…』

「じゃあ、そろそろ帰った方がいいかな〜?」

『う、うん…』


ディメーンと一緒に歩き出した

…今日楽しかったな…
たいしてお話出来なかったけど…
幸せだった…

・・・・・・。

もぅ誰でもいいからお願い!
お願いお願い!!時間を止めて!!
こんな幸せな時間が終わっちゃうなんて考えただけで泣きそうだよ!

でもホントに止まっちゃったら
嬉しくてウチ死んじゃうかも!


「(ユンカ、楽しそうだね〜♪)」









『あ…』

「?」

『もうすぐ駅につくね…』

「そうだね〜」


今日はもぅ会えないんだ…
近いようで…遠いなぁ…

…もう一回、手を繋いで歩きたい…!






そんな願いも寂しく
電車が来た

あぁ…もぅ…
今日は楽しかったけど…
相合傘と買い物だけだったなぁ…
嬉しかったこと…

もう…いっそのことウチのこと抱きしめてよ!ディメーン!

…なんてね


『また一緒に行こうね』

「んっふっふ〜♪もちろんさ〜♪」


電車の扉が開いた
発射時間まで後1分ある


「そうだ、ユンカ」

『うん?』

「おみやげあげるよ〜♪」

『なになに?』


ディメーンの顔がすぐ近くにきた、と思った瞬間だった

あぁ、キスされたんだろうな
ウチ。
優しーいキス


[プルルルル…まもなく…電車が発車します…]


『あ、あ…あ…』

「また、ねユンカ」

『う、うん!!』


ウチは、もうすぐ電車が発射する焦りと、キスをされた恥ずかしさと嬉しさで走って電車に乗った

しばらく俯いていてパッとディメーンの方を見た

ディメーンは指をならしてホームに花を降らせてくれた
…デートの最後の最後まで楽しくしてくれて…

ああ、もぅ
溶けちゃいそうだよ!!






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