マリオ短編

□また会おう
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『会えないのかな…』


ユンカは家のすぐ外に座っていた
20分ぐらい経って


『ジーノ…ウチ…そろそろ…待つの限界だよ…』


立ち上がった


『……死んだ人って天国に行けるんだよね…天国と天空って…きっとすぐ側…だよね…』


ユンカは空を見上げた






―――…今、行くね






と一歩踏み出そうとした瞬間


ユンカの頭にポンッと感触
そして不器用にぐしゃぐしゃと
帽子の上から撫でられる感触


『わっ!?』


少し強い力で前もむけない状態だった
2秒ぐらいしてパッと手が離れた


『??』


ユンカは後ろを振り返った
が、誰もいなかった
家の壁と窓しか見えなかった


『……ジー…ノ…?心配してたの…?』


ユンカはまた家の中に入った


「お、おかえり。早かったな、本当に」

『ねぇ、マリオ!さっき…さっきジーノが…頭撫でてくれたの!ジーノが!』

「お?…頭を?」

『うん!』

「……そうか」


マリオはユンカに優しく笑った


『…晩御飯の食材、買いにいこう?』

「ああ、そうだな。ユンカの料理で驚かせてやろうぜ」

『うん!』







「(窓から手伸ばして俺が撫でたってことは黙っておこう)」








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