雨色の空

□プロローグ
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全ての始まりは



                 三年前のとある出来事―・・・








 隠された一人の    少年の“死”










































ガシャン














フェンスに寄りかかる一人の少年。



全身にあるのは無数の痣、痣、痣―・・・





「ほんっと。どこで間違えたんだろうね」





そんな呟きも風に消される。



仲間の耳には届かない。

仲間の心には届かない。



どんなに叫んでも。

どんなに訴えても、届かない。



全身に降りかかる痛み。

それ以上の心の痛み。



皆の想いがわからない。

皆の心がわからない。




「不思議だな」




目の前にいる“元”仲間。

無意識のうちに呟かれる言葉。




「ずっと一緒にいたのにな」




罵る声は更に大きく。

呻き声は更に大きく。


幾多の手が体を支え。

幾多の声が心を縛る。











浮遊感が沸き起こる。











遠ざかる仲間の顔。

遠ざかる“元”仲間達。

そして近づく終着点。





まぶたの裏に家族が浮かぶ。


楽しかった日々。




(最期にまた、会いたかったな)





走馬灯のように駆け巡る思い出。






「ごめん、みんな・・・」





最期の言葉は彼方へ消える。







残されたモノは



氷の中の赤い跡(シルシ)








そこに現れた二人の男。






散らばったカケラは二人のもとに。

少年の想いは二人のもとに。





「「絶対に許さない」」








全てを知った二人の男達は再び








氷の地へと足を運ぶ




































         復讐の“”は  


  





          作られたばかり―・・・


























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