雨色の空

□Water.2
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「氷帝学園」



お面をかぶった二人の少年は、そう書かれた学校の門をくぐっていった。

そしてまっすぐ、テニスコートへと足を進めた。











「今日転校生が来るらしいぜ」



朝からある噂はもちろんテニス部まで広がっていた。

練習している中、向日が口を開く。



「こないな時期にか?珍しいやっちゃなぁ」

「何でも急に親が転勤になったらしいですよ。本当かどうかはわかりませんけど」

「ま、所詮は噂。理由なんか本人に実際に聞けばわかるだろ」

「みんなぁ、おはよぉ〜」



四人が喋っている中、甘ったるい声が流れる。

そしてそのまま、他のレギュラーを巻き込み仲良く談笑という形になった。

それを、遠くから二つの影が見つめる。



「あれが皐月を苛めた奴らか〜」



そのうちの一人、狼のお面をつけた少年が言う。

もう片方の少年はこくりと頷いた。



「練習時間に談笑とは余裕だな」

「だね〜。でも、それももう直ぐできなくなるけどね〜」



狼のお面をつけた少年は、どこか楽しむように笑った。

目の前に居るレギュラー達を見据えながら・・・


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