魅惑の世界
□些細なこと
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俺は3ヶ月くらいぶりに大佐のもとに来た。
理由は特別なことなんかじゃなくて報告書を持ってきただけ。
大佐は仕事してんだかしてないんだかイマイチ分からないしたらしだしなんであいつの事…って、俺何言ってんだか。
まあ兎に角、俺は今から目の前の扉を開けて大佐に報告書を渡しすわけ。
また字が汚いだとか嫌味言われるんだろうけど。
俺は扉を開けた。
『よう、大佐。報告書持ってきてやったぜ。』
『そこに置いておきたまえ。』
『おう。』
いつもと変わらないやり取り。大佐はそう言うと珈琲を淹れソファに腰掛けて待つ俺の前に出す。
『さんきゅ。』
一応上官なんで礼を言う。一応。
すると大佐が俺の向かいのソファに腰掛ける。
『今回は随分と来るのが遅かったな。何か手がかりは見つかったかね?』
『まあね。資料何冊かあるし、アルが今資料室で本探して来るって。』
『そうか。良い弟を持ったものだな。』俺は珈琲を啜る。
フッと大佐は俺に微笑むと俺は赤面しそうになった。
だって、こいつモテるもんな。
女もおちるわ。
ボーっとしていた俺は、うっかり珈琲の入ったカップを落としてしまった。
生身の左手に珈琲がかかった。
『ぁっ…!』
俺は手を引っ込めた。わりい、すぐ拭くから。と言いかけた時、大佐がソファから立ち上がって俺の左腕を掴んだ。
『早く冷やしなさいっ』
俺は腕を引っ張られ水道まで連れて行かれる。
そのまま蛇口を捻り手を水で冷やされる。