旧拍手

□〜1月19日
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「ひゃ〜!さみぃ!」




と、白い息を吐く悟空にマフラーと手袋を付けてあげる。
すると彼はサンキューと笑って抱きしめてきた。




「んー、やっぱおめぇ…あったけぇや」




それに悟空もね、と返してきつく抱きしめる。
寒いからといろいろ着込んでいるはずなのに分かる筋肉。




「オラよ、おめぇとケッコンして良かったと思ってんぞ」

『どうしたの?いきなり』

「オラ、おめぇがいねぇと生きてけねぇや」




好きだぞとおでこにキスをされて顔を上げると今度は唇に。
くすぐったいよと顔を背けると今度は耳にキスをしてきた。




「こったさみぃのにわざわざ見送りに来なくったっていいんだぞ?」

『ん、いいの。だって悟空、修行始めちゃうと長いから』

「……すまねぇ」

『ううん。頑張ってね』




今度は私から背伸びをしてキスをする。
今日は雪が降るからやめた方がいいって言ったけど、悟空は修行するって言って聞かない。




『風邪、引いたら怒るから』

「でぇじょぶだ!オラの身体は丈夫だかんな。おめぇも分かってんだろ?」

『うん…。でも、引かないように気をつけて』

「あぁ。じゃあ行ってくんな」




うん、と答えたのに私の手は飛び立とうとする悟空の服を掴んだまま。
なにをやっているんだろう。

悟空はおっ?と驚いた顔をしたかと思うと優しく笑って私を抱え上げた。




『きゃっ!ご、悟空?』

「おめぇも一緒にくっか?見てるだけじゃつまんねぇかもしんねぇけど」

『い、いいの?邪魔じゃない?』

「邪魔なんかじゃねぇさ!おめぇが居てくれた方がオラもっと楽しく修行出来んぞ!」




けどさみぃかんな、と悟空は私を抱えたまま家に入り私の分の防寒具を持った。
ストンと降ろされて手袋やらマフラーやらを取ろうと手を伸ばすと、




「オラもおめぇにマフラー巻かせてくれ」




悟空の大きな手でマフラーを、手袋を、コートを着せてくれる。
かと思うとすぐに私を抱き上げて外へ飛び出した。




一緒にいるだけで幸せ。




あんまり冬とか関係なくなってしまった…。




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