旧拍手
□〜6月4日
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『悟飯ちゃん悟飯ちゃん!』
「はい、どうしたんですか?」
『髪の毛にゴミがついてるよ。とってあげる』
だからしゃがんで、と私が言うと悟飯ちゃんは素直にしゃがんだ。
悟飯ちゃんのツンツンした髪の毛を左手で触って、右手で悟飯ちゃんの頬を撫でる。
びっくりした悟飯ちゃんに構わず彼の瞼にキスを落とした。
『悟飯ちゃん、顔真っ赤』
「えっいや、だって今…!」
『びっくりしたでしょ?私達恋人なんだから慣れなきゃ』
ね?と首を傾げながら言うと悟飯ちゃんは真っ赤な顔のまま頷いた。
よしよしと頭を撫でてあげるとその手を悟飯ちゃんに掴まれる。
やけに色っぽい瞳と目が合った。
「じゃあ、僕も」
いたずらっ子のように笑って軽く唇にキスをされた。
同じく瞼にされると思っていた私はちょっとの間固まる。
クスッと悟飯ちゃんが笑った。
「貴方も慣れなきゃ」
さらりと髪を撫でられ、おでこに軽くキスをされる。
チラッと彼の顔を見るとやっぱりちょっと赤かった。
それにつられて私も赤くなる。
『やるならしっかりやらないと。悟飯ちゃんまで照れちゃってどうするの?』
ふふふと笑いながら抱きつくと悟飯ちゃんは吃りながら抱きしめ返してくれる。
やっぱり慣れませんよ、ドキドキします。
そう素直に伝える悟飯ちゃんに私もと呟く。
偉そうなこと言っといて、本当は私が一番慣れてない。
悟飯ちゃんとは小さい時からの知り合いで高校が一緒になり(私の方が一つ上だけど)、なんだかんだで恋人同士に。
今までずっと一緒で、面白おかしく過ごしてきた私にとっては悟飯ちゃんのこんな一面があるなんて知らず常にドキドキしっぱなし。
「あの、もう一度キスをしてもいいですか?」
ぐぐっと悟飯ちゃんの胸板に顔を埋めているとそんな声が聞こえて顎を指で上げられた。
え、なんて言葉を漏らしているうちに悟飯ちゃんのちょっとかたい唇が私のそれに重なる。
最近ちょっと悟飯ちゃんに強引な一面もあると気が付いた。
良いって言ってないんだけどな。良いけど。
そっと目を閉じると悟飯ちゃんの手が肩に添えられた。
ちゅーっと長めのキスで息が続かなくなった時、やっと悟飯ちゃんの唇が離される。
『長かった、ね…!』
「す、すみません…。嫌でしたか?」
『ううん、全然』
「そうですか…。なら、もうちょっとだけ」
腰を引き寄せられまるで食べるように唇に噛みつかれる。
ちゅうっと下唇に吸い付かれ、口を開けた瞬間舌をねじ込まれる。
悟飯ちゃんの舌と私の舌が絡まり合ってなんだかいやらしい音をたてた。
『んむ、んっー!』
「…ん」
恥ずかしくて目を強く閉じていると唇が離されて、悟飯ちゃんが私の名前を呟いたのが聞こえた。
『も、悟飯ちゃん…!い、いきなりディープなやつ、は…』
「したくなってしまったので、つい…。可愛かったです」
真っ赤な顔で可愛かったですなんて言われたら何にも言い返せない。
それに、嫌じゃなかったし…。
恥ずかしくて目を合わせられないでいると再び悟飯ちゃんの唇が降ってくる。
後頭部と腰をしっかりとホールドされ、逃げることは出来ない。逃げる気もない。
先程よりも熱く激しく求められて頭がクラクラした。
『んっ、は…悟飯ちゃ…』
ギブアップ、というように悟飯ちゃんの厚い胸板を押したけど彼にしては珍しく離してくれない。
チラッと目を開けて悟飯ちゃんを見ると熱っぽい顔をしていて、ドキンッと胸が高鳴る。
ちゅっとリップ音を鳴らして唇が離され、下唇を軽く舐められた。
「なんだか、いけない気分になっちゃいました」
ベッド、行きませんか?
照れ笑いで悟飯ちゃんが誘うから、私まで赤くなって笑っちゃって。
小さく頷いて悟飯ちゃんの手を握った。
結局、慣れない
(おはようございます。朝ご飯作っておきましたよ)
(ん…ありがと……)
(やっぱり腰痛いですよね…。ごめんなさい)
(ううん…。あのね、良かったよ…)
(っ!)
悟飯ちゃんの顔は真っ赤になってしばらくしどろもどろになったとさ!
雪