旧拍手
□〜12月20日
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「お菓子くれなきゃ…イタズラするぜ…?」
そう低い声で言って笑ったのは、超サイヤ人4になった悟空でした。
今日はハロウィン。
皆がコスプレして楽しむ日…だったような?
そういうことだから私も魔女のコスプレなんかしちゃって街を歩いていた。
子供が仮装してお菓子をちょうだいと笑う姿に私も頬の筋肉が緩み、ついでに財布の紐も緩んでお菓子を大量に買ってしまった。
そのお菓子を子供達に配っていると誰かに腕を引かれて、振り返ると超サイヤ人4の悟空が。
『お菓子が欲しいの?はい、キャンディーでいい?』
「…お菓子もいいが、オレはイタズラがしてぇな」
『ごめん、意味がわからない。お菓子かイタズラかって話なんだからお菓子もらったらイタズラしちゃ…』
「ならお菓子はいらねぇ」
オレはこっちがいい、と悟空は私を抱き上げた。
周りからなんだなんだと声が上がり、ハロウィンだからって浮かれるなよとヤジが飛ぶ。
『お、降ろして!皆見てるからっ…』
「なんでだ?別に見られて困ることはしてねぇ」
『してるしてる!私恥ずかしくて死ぬ!』
「いぃ!?死ぬのは困るな…。ちっと待ってろ」
悟空は額に手を当てる。
イヤな予感がしたのと風景が変わったのは同時だった。
あぁぁぁあ…またこの人は……!
『お前ぇぇぇえ…なんであんなに大勢の前で瞬間移動なんか…』
「ん?おめぇが言ったんだろ?皆見てるから恥ずかしいって」
『言ったけど…って、ここどこ?』
「見ての通り、人があんまし通んねぇ場所だ。さっきの場所からもあんま離れてねぇ」
『で、でも…ちょっと遠いけど話し声聞こえない?もっと、遠い場所…』
「聞こえねぇよ…」
ちゅ…と啄ばむようにキスをされ、抗議の言葉は口の中で溶ける。
なんでこう、超サイヤ人4の悟空ってこんなに色気があるんだろう。
思わず目を瞑ると悟空が小さく笑って、私の後頭部に手を添え更に深くキスをしてくる。
息継ぎの間もなく繰り返される熱いキスに苦しくなって来た時、やっと唇同士を離された。
『はふ…はぁ…ふぅ……んっ…』
「はは、林檎みてぇに真っ赤だ」
悟空はちゅ、と私の頬にキスをして喉の奥で笑う。
そして、尻尾で私の太腿(しかも生足)を撫でると右手でお尻をやわやわと揉み始めた。
『ちょっ、と…ここ、外…』
「ん…?いいじゃねぇか、誰も見てねぇよ…」
『そういう問題じゃ…ひっ…』
「お菓子より甘くてうめぇな、おめぇは」
ペロッと人の頬を舐めて、にんまりと悪人顔で笑った悟空に私はあっ、とかうっ、とか言葉にならない声を出す。
こいつは、厄介だ。
超サイヤ人4の色気に頭がクラクラしてきた。
『っ…ごく…、お菓子、お菓子の方が甘いから…』
「どうだろうな。オレは、おめぇが」
食いたい。
スルスルと服の中に忍び込んでくる手に、脳みそを溶かしてしまうような甘い声に。
抵抗など、いつの間にか忘れてしまうのでした。
Trick yet Treat
(お菓子はいらねぇから、悪戯させてくれよ)
10月といえばハロウィンですね!
Trick yet Treatは、Twitterかなんかで見たやつです。
これに惹かれて一回は書いてみたいと思って…。
雪