旧拍手

□〜3月15日
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パオズ山の朝は冷える。

ぶるっと身震いして目を覚ました私は毛布を肩までかけた。
視線の先にはこんなに寒いのにパンツ一丁で寝る悟空。

もぞもぞと悟空の近くに寄って、その厚い胸板に顔を埋める。

あったかい…。

見上げるとカッコいい悟空の顔が近くにあって、自分で近寄ったのにドキドキと心臓が高鳴った。

ちょっと、だけなら…。

首を伸ばして悟空の顎にキスをして、へへへと小さく笑うと急に悟空の手が伸びてきて私を抱きしめてきた。




「んー…?」

『っえ、ぁ…悟空、ごめん、起こしちゃった?』

「…んー……」




悟空は小さく、さみぃと呟いて脚と脚を絡めてくる。
私はというとガチガチに固まってしまった。

ね、寝ぼけてるとはいえ…そんなにくっつかれるとドキドキするんだけど…!
それに、悟空の逞しい筋肉を身体中で感じちゃって…。

口から心臓でそう。




「んー、おめぇ…やわっこいなぁ…」

『そっ、そう?』

「…ちゅー、してぇ…」

『は?えっ?』

「おめぇの…やわっこい唇…うまそうだ……」




寝ぼけ眼の悟空の顔が近づいてきてふわりと唇にそれが重なる。

かと思うとそのまますりっと唇同士を擦り合わせてきて私はぎゅうっと目を瞑った。

気がつくとキスは深さを増して、悟空は私の上に覆いかぶさっていた。




『っん、はぁ…』

「やっぱ、うめぇ。もっと、おめぇんとこ感じてぇ」

『っ、朝っぱらから、何言ってんの…!まだ寝ぼけてるでしょ!』

「へへ、そうかもな…。嫌なんか?」




悟空の言葉に小さく頭を振ると彼は笑ってもう一度唇を合わせてきた。

するりと悟空の首の後ろに手を回すと舌で唇を突っつかれて私は小さく口を開ける。
悟空の舌が遠慮なく入ってきて私の舌とやらしく絡んだ。




『ん、む…』

「…ん、苦しーか?」

『も、いきなりするから…!』

「わりぃ、わりぃ!でぇじょうぶか?」

『…でぇじょうぶです』

「ははっ、なんだおめぇ!顔真っ赤だぞ」

『……もう』




ふいっと顔を背けると悟空はさらりと私の頬を撫でて、ちゅっと耳にキスをしてきた。




『っ、な、なに?』

「いや、なんとなく…。なんかおめぇ見てっとちゅーしたくなんだ」




そんな無邪気に笑ったって言ってることはかなりヤバイですよお兄さん。

さらに顔を赤くする私を見て悟空はたまに見せるあの悪人みたいな笑い方で笑って、私の肌をやらしく触ってくる。




「シたくなっちまった」

『はっ!?』




何を急にと暴れる私の服をあははと笑いながら脱がしてくる悟空に久しぶりに恐怖を覚えたのでした。





くっつき過ぎるのはマズイようです





(…う、うごけ、ない…)
(へへへ!ごちそーさん)
(寒くてもくっつくのやめよう…)
(えー!なんでだよぉ!おめぇ、やわっこくて気持ちーのに)
(…はぁ)






イチャイチャしやがって!



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