旧拍手

□〜7月26日
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『雨だー、暇だー、かまえー、悟飯ー』

「うわっ、と…!た、確かに雨ですけど、暇ではないですよね?」

『ううん、暇』

「嘘だぁ…!さっきから僕の髪の毛弄って楽しんでるじゃないですか…。全然暇そうに見えません」

『何言ってるの、暇だから髪の毛弄ってるんじゃない。あー、きもちー…』

「ううー、もう、キスしちゃいますよ!」

『んー?やれるもんならやってみろ!』

「えっ、あっ…じゃあ…」




ちょこっとヘタレな悟飯をからかって、キスなんて出来るわけないだろと挑発する。

すると悟飯は真っ赤になって、私の腕を掴んだかと思うとそのまま引き寄せた。

うぎゃ、なんて色気のカケラもない声を出した私の頬を両手で優しく包んで蕩けそうな笑みで見つめてくる。




「実は、僕もずっと雨続きで退屈してたんです」

『えっ、悟飯一体何を』

「あなたが許可したんですからね」




悟飯の真っ黒で綺麗な瞳が閉じられる。
そして、ゆっくりと顔が近づいてきて…。

するりと唇と唇が触れ合った。

う、ひゃー!
自分で挑発したのにいざキスされるとガチガチに固まってしまう。

そんな私を見て悟飯は唇を少し離してクスリと笑うと私の肩を掴んでゆっくりと床へと押し倒した。

押し倒した…?




『ちょっ、えっ、ちょっと、ご、は…悟飯!?』

「ん」

『ひっ、あ…』




かぷりと首筋を噛まれて跡をつけられる。

な、なっなっ…こんなはずじゃなかったのに…!

ぎゅうっと悟飯の服を掴むと悟飯はその手を取って繋いできた。しかも恋人繋ぎ。




『ご、はん…ごめ、私が悪かったから勉強、続けて…』

「え?僕別に怒ってないですよ!ただ、ちょっと…」

『?』

「変なスイッチ、入っちゃいました」

『!?!?』

「貴方に触れられるとドキドキするんですよ?それなのにずっと触るから…」

『ご、ごめんって』

「怒ってないですってば。ねぇ、」




悟飯は私の名前を呼ぶとまた優しくキスを落とす。

悟飯と付き合って、少しはこういうこと慣れたかなって思ってたけどやっぱ無理!恥ずかしい!

ぎゅっと目を瞑ると悟飯は私の前髪をかき分けておでこにキスをした。

うーー、なんだこの甘い空気はーー!




『あ、あのね、悟飯、かまえっていうのは、こういうのじゃなくて、その』

「聞こえません」

『やっ、ちょっと待って、ホント、勘弁…!』

「……ぷっ、あはは」




ジタバタと暴れる私を見て、悟飯は耐えられないと笑い出した。酷い!




「すみません、なんだか反応が可愛くって」

『バカッアホッ、ドキドキしたじゃん!』

「僕も」




コツンとおでことおでこをくっつけ合って、私達はクスクスと笑いあったのだった。






雨のち甘味






(あ、晴れてきましたね)
(ホントだ…!どっか出かけようよ)
(僕、このままあなたを抱きしめていたいなぁ〜…なんて)
(〜〜っ!恥ずかしい奴!!!)





なんだこれ、砂吐く…






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