OTHER*
□トヨタマ
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豊玉は、生徒のガラが悪けりゃセンコーも悪い。
下手すりゃチンピラに見えるんちゃうか?
男子校やから余計かもしれへんけど、フツーにグラサン掛けて授業教えるセンコーってどうやねん。
ホンマは教える気無いんとちゃうか。
クソだるい始業式を何とか乗り切って、眠い目こすりながら廊下を歩いていると
前からパーマ頭の大男が豪快な欠伸をしながら近付いてきおった。
「みーなみ。おはよーさん。今日からガッコやなぁ。ダルイわ、ホンマ」
「おー、岸本。何で朝っぱらからオマエのカオ見なアカンねん」
「うわ、何やその言い方。失礼なやっちゃなー、朝から俺に会えるなんて、めっちゃ光栄な事やねんぞ?」
「言ってろ」
オノレの顔なんか、休み中に見飽きたっちゅーねん。
「眠い時はいつもに増して不機嫌やなー。実理くんコワイ」
「うっさいわ、ボケ」
アホはほっといて、早よ帰って寝よ。
「待たんかい。今日、部活のミーティングがあるらしいで。行くやろ?」
ミーティング?そういや、この前キンピラ(監督)が言ってたような、言ってなかったような。
「覚えてないんか?南、一番キンピラの近くにおったやん」
「……覚えとるで」
「嘘つけ!今のは明らかに「忘れてましたー」ゆうカオやったぞ!」
「どっちでもええやん。あーあ、早よ帰って寝よ思っとったのに」
「帰る気やったんかい。板倉に聞いたんやけど、大事な事や言うてたで」
板倉?板倉とキンピラの言う事や。どうせ大した事やないやろ。
って思っとったら、岸本が真剣な表情で言うた。
「俺達3年の、引退の事を決めるミーティングやって」