FINAL FANTASYV*
□Valentine!
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「みんなー!今日はバレンタインデーだから、チョコレート作ってみたの!食べてー…って、あれ?ルーネスだけ?」
「おー、レフィア。アルクゥとイングズは買い出しに行った。多分もう少ししたら戻ってくるんじゃない?」
「そう、まあいいわ。それよりルーネス、はいこれ」
「え?手作り?なんか危ないものとか入ってたりして…」
「もうっ!そんな事するわけないでしょ!いらないなら食べなくていいわよ」
「うわーうそうそ!うまそうだなあ、いただきます!」
「…どう、かな?」
「…」
「…」
「!」
「!?」
「…」
「なんなのよ!…お、おいしくないなら、はっきり言ってくれたって構わないんだから!」
「なあ、レフィア」
「…なによ」
「おまえ、ちゃんと料理とか出来たんだな」
「え?」
「うん、うまいよ、すごく。ありがとな、レフィア」
「え、あ…うん」
「…なんで赤くなってんの」
「だって!…その、普通に褒めてもらえるなんて、思ってなかったから…しかもあんたに」
「オレはいつも正直だろー?」
「っ!」
「はは、真っ赤!」
「もう!からかわないで!」
「いや、でもホントにうまいよ。あいつらも早く帰ってくればいいのにな。せっかくの手作りチョコ、早く食べてもらいたいだろ?」
「んー、そうね、ルーネスがおいしいって言ってくれたから、安心して渡せるわ。どんな風に仕上がってるか分からなかったから」
「…おまえ、まさか味見とかしてないのか?」
「してないわよ」
「ええ!なんだよそれ!普通するだろ、味見は!」
「ちゃんと分量通りに作ったし、いいにおいだったから大丈夫だと思ったの!実際に大丈夫だったじゃない?」
「今回はたまたまだったかもしれないんだな…やっぱレフィアの料理を全面的に信頼するのはやめておこう」
「なによ!おいしいならそれでいいじゃない!」
「まあそうなんだけどさ…」
「ただいまー。金の針がまとめ買いセールやってたからいっぱい買ってきたよー」
「最近石化攻撃をしてくるモンスターが増えてきたからな。これから先、万が一白魔法を使える者が石化したとしても大事は逃れられるだろう」
「あと山彦草と、って、どうしたの?またケンカ?」
「レフィアがオレを実験台にした!」
「人聞きの悪い事を言わない!」
「ホントの事じゃないか…」
「ルーネスは黙ってて。アルクゥ、イングズ、はい!」
「なに?わあ、チョコレート?」
「くれるのか?」
「味は保証できるわ」
「…(確かにうまかったけど、なんか腑に落ちねえな)」
「ありがとう、いただきます!…ん、おいしいよレフィア!」
「ああ、おいしいな。ありがとう。レフィアはいい奥さんになるだろうな」
「そ、そうかな?やだもーイングズったら!」
「…おまえの旦那さんになる人は大変そうだよな」
「なにか言った!?」
「…いいえ、なにも」
「ちなみにどこで作ってくれたの?大変だったでしょ?」
「宿のおかみさんとお話してたらキッチンを貸してくれるって言って下さったの。レシピも貸してくれたから、大変じゃなかったわ」
「そうだったんだ。僕達のためにありがとうね」
「あとでおかみにも礼を言っておかなければならないな」
「あ、まだ片付けが残ってるんだった!アルクゥ、道具の整理はあとで手伝うわね!」
「私が手伝うから大丈夫だ。レフィアはゆっくり作業をしてくればいい」
「ごめんねイングズ、ありがとう。じゃあまたあとでね」
「はーい。…ねえルーネス、なんでレフィアはルーネスに怒ってたの?」
「大方、またルーネスが失礼な事でも言ったのだろうな」
「…なあ、普通さ、誰かに食べてもらうのを作った時って、味見とかするよな?」
「そうだね、僕はいつもするよ。思ったより薄い時とかあるから」
「だよな?うん、そうだよな?」
「…もしかしてさっきのチョコレート、味見は一切していないと言っていたのか?」
「ああなるほど、それで僕達が帰ってきた時に「オレを実験台にした」とか言ってたんだ」
「今回はおいしく出来上がってたから良かったけどさー、もし失敗してたらと思うとぞっとする…」
「その時は味見をしなかったレフィアにも多少責任はあると思うが、それよりもまず女性の心というものを汲んであげるんだな」
「心ぉ?」
「私達に向けて、私達の事を考えながら作ってくれているんだ。有り難い事だろう」
「う、まあ…そうだな」
「ルーネスも女の子になってみたら気持ちが分かるかもよ!」
「それはいやだ」
「おまえ達の事だからすぐにいつも通りになるとは思うが、一言くらい謝っておけよ」
「…分かったよ。キッチンってあっちだよな?ちょっと行ってくる」
「…全く、世話の焼ける」
「片付けを残して持ってきてくれたみたいだし、早く食べて欲しいって思ってくれていたのかな。ルーネスももう少し女の子の気持ちが分かるようになってくれればいいんだけどね」
「すぐには無理だろうな」
「…僕もそう思う」
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