□大体の男は女と話す時胸を見ながら話してる
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じめじめと蒸し暑い春の終わり頃。
不運な事に、今日は10代目が体調を崩し学校を休んでしまった。

ただでさえ機嫌の悪いときに限り、
野球バカはやけに俺にべたべたとひっつきにくるのだ。

これほどうざったいことはない。



「で、そういうことだから俺今日一日ここで寝てる。」

「・・・はぁ?」


机に積まれた大量の書類に頭を抱えていた雲雀に、一言告げるとソファに寝転がる。



「ちょっと何、意味分からない」

「うっせーよ俺だって人間だからさぼりてー時もあるんだ」

「そう言うことじゃ無いんだけど。帰ってくれる」

「跳ね馬みてーに騒がねーんだから、良いだろ」

「・・・」


“跳ね馬”の一言を出しただけで黙り込む。

(こいつの弱みは大体掴んでいる)



「すぐ帰ってよ・・・」

「分かった分かった」


適当に返事をして、仕事中の雲雀の姿をまじまじと見つめる。
(そういや、雲雀が仕事してるとこなんてまともに見たことねーな)

しかし、こいつの幼児体型っぷりには呆れる。
こんなのを好むなんて、跳ね馬は俗にいう「ロリコン」ではなかろうか。


(・・・まぁ、でもあいつが雲雀を好きになる理由も分からなくは無いな)

艶がかった綺麗な黒髪、長い睫毛に白い肌。


これで性格、態度共に優秀だったならば完璧だったのになぁ、惜しい。

なんてことをふと考える。


「あんまり見ないで欲しいんだけど。見物料とるよ」

「うっせーなぁ」

「黙って」

「ほんとにお前は素直じゃないな」

「それ跳ね馬にも言われたよ」

「お前が素直じゃねーからだろ?」
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