小説

□pa
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「神童に霧野じゃ無いか、珍しい所で合うなぁ」

騒いでいた俺達の後ろから
聞き慣れた声が聞こえ、俺と神童は同時に振り返って叫んだ

「「円堂監督っっっ」」

立っていた人物に現実感がわくと同時に
俺は監督に抱き付いた。

「監督、偶然ですねっっ、何か本でも探してるんですか?」

後ろで
神童が涙をためながら俺を睨んでいるのは置いといて

普段
他の人には見せない様な万勉の笑顔を監督に見せながら聞く

「いや、只何と無く入ってみただけだ」

何時もの笑顔を浮かべて監督が答える

「俺達も何ですよっっ。なっ神童」

此処らで神童も話に加え無いと後先面倒だと思い話題をふる

すると
さっきまで、泣くのを我慢していたのが嘘の様に
綺麗な笑顔を監督に向けて言葉を切る
       
「ええ、俺達も偶々入りたくなって、寄っただけなんですよ」

偶々の部分をもの凄く強調しながら神童が言うが、監督は全く気付かずに笑顔を向けている

「所で監督、この後暇ですか?」

微笑みあっている監督と神童が気に食わなくて、監督に問い掛ける

「この後か・・・特にする事は無いなぁ」

監督が少し考えてから
笑顔に戻り答える

「なら、必殺技の特訓付き合ってくれませんか?」

その言葉を口にした瞬間
監督の瞳がキラキラと輝いて、今日一番の笑顔を俺に向けて来た。

「俺も一緒に良いですか?」

神童がキラキラ輝いている監督の笑顔にこらえながら問う

「おうっ、三人で必殺技の特訓だ」

言うと同時に歩き出した監督の後ろを
俺と神童が追いかける

「霧野、告白するの手伝ってくれるんじゃ無かったのか?」

前を歩いている監督に聞こえない様な小さな声で神童が俺に問い掛ける

「告白するのは手伝うと言ったが、監督を譲とは言って無いだろっっ」

俺も監督に聞こえない様な小さな声で返すと
神童が言葉に詰まった様な
何とも言えない顔をする。

「取り敢えず、今日お前の家に行ってラブレターを書くのは手伝う」

黙ったままの神童に俺が続けて言う。

「・・・何で手伝ってくれるんだ?」

まぁ
当たり前と言えば当たり前の質問が帰って来た。

神童がラブレターを書いた所で鈍い監督が告白だと受けとる事は絶対と言って良いほど無いからだとは言えない。

「いや、上手くいったら俺もラブレター出そうかと思っただけだ」

取り敢えず
こう答えて置けば嘘では無い・・・と思う

「それって、俺は実験材料か?」

少し不機嫌そうな声が帰って来たが、これは無視だ。

俺は神童を無視して監督の隣の位置まで小走りする

すると
さっきまで不機嫌だった神童が更に不機嫌になりながら俺に続く様に反対側の
監督の隣に付いた。


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