小説

□ハーモニー
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「監督?」

円堂の異変に一早く気付いた霧野が、円堂を見上げながら聞く。

「具合悪いんですか?」

それに続き、松風も問うが
円堂は、首を横に振るだけだった。

「もしかして、監督。照れちゃったんですか?」

狩屋がからかい半分で詰め寄ると、段々と収まっていった
頬の赤みが、又増す。

「えっ!?マジで・・・」

自分で言った言葉に対して円堂が反応するのを見て
狩屋が口を手で覆い隠す。

「えっ!?本当ですか?監督っ」

「誰の告白にですかっっ?」

円堂の態度に、霧野の松風が問う

その言葉を聞いて、真っ赤に染まっていた神童と興味無さげに見ていた剣城も円堂の側に依る。

「監督は、誰のモノになりたんですかっっ」

神童が顔を先程より赤く染め詰め更に寄る

「「「「「監督っっ」」」」」


全員が一斉に声を上げる

五人に詰め寄られた円堂は、驚きと照れが混ざったような
曖昧な笑いを浮かべる。

「・・全員好きだぞ・・その・・・」

言葉を詰まらせながら言う円堂に五人は続きを待つ

「その・・・だなぁ・・・愛してるは、言い過ぎだと思う・・ぞ?」

歯切れ悪く、照れながら言う円堂に
全員が一斉に溜め息をつく


「どうしたんだ?皆?」

そんな五人を円堂は、不思議そうに小首を傾げながら見る

「今は、嫌われ無いだけましか」

そっと霧野が呟く

「そうだなっ」

それに神童が頷く

「負けませんよ」

瞳をキラキラさせながら言う松風を四人が一斉に見る

「恨みっこなしだからなぁ」

狩屋が続けて言い、剣城が鼻で笑う

そんな五人を見ながら
円堂は、頭にクエスチョンマークを浮かべていた。

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