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□sweet honey
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“エリアスさんが入室しました”
「おぉー、良かった、まだ来てないみたいだな。」
彼女の名前はエディード・エルリック。今は、旅をしていた時とは違い、中央司令部付近のマンションを借りてそこに住んでいる。国家錬金術師の資格は返上せず、定期的にロイに報告書をわたしにいく程度の仕事だったが、時々なんにもないときに、ロイをおちょくりに行くのだ。そのエディは、水曜日と金曜日に必ずこのチャット広場に来ていた。その理由とは…
“J61さんが入室しました”
「あっ、やっと来た」
そう、このJ61という男に会う為である。数ヶ月前から、2人は決まってチャット広場に集まり、雑談を交わしていた。
お互いが誰とも知らずに…
“すまない、今仕事から帰ってきたんだ”
「っと…鋼ののせいで、彼女を待たせてしまった…何回目だろうな、本当に。」
“全然良いですよ。お仕事お疲れ様です”
「なんて優しい…中尉とも鋼のとも大違いだ」
…そう、その男とは、鋼の錬金術師であるエディの上司、ロイ・マスタングなのだ。
“今日はどんな仕事だったんですか?”
「この人いつも仕事っつってんなー、クソ大佐とは大違い。」

“あぁ、今日は部下の報告書を提出してもらってから列車事故の事後処理に行ってきたよ”
「鋼のが来るのは来週の水曜日か、明後日は早く終わらせよう」
最近のロイは、こんなことを考えながら仕事に取り組んでいた。
「この人、どんな人なんだろ。とにかく格好良いんだろうな〜」
“エリアスさんは、何かお仕事してるんですか?”
「っと…どう答えよう;」
国家錬金術師は、軍の犬となった人間として、民衆から嫌われている仕事。それを明かして、この関係が崩れないだろうかと不安だったのだ。
「うーーーん…嘘付くのもやだしなぁ…」
“人に嫌われる仕事です><;”
「よし!!」
一方ロイの方では、、
「人に嫌われる仕事?なんだそりゃ。軍属か??いや、若すぎる、そんな18歳で軍属なんて鋼のくらいだ。」

“そうなんですか??エリアスさんみたいな人が嫌われているなんて考えられないが…”
「うーん…なんの仕事だ…まぁそんなことは良いか、とりあえず魅力的な女性だ」
エリアスという人が、とても良い女性なのだと思っているロイの事など露知らず、現実は変わらないのだ。
それと同時に、J61という男が、バリバリ仕事をしている優しい方だと思っているエディの気持ちも砕かれてしまう。相手はあのサボり屋で変態のロイなのだから。…
「ぅわ!!もぅこんな時間かょ、はえぇ〜…もぅ終わっとくか。」
“すいません、もう寝ますね^^*また明後日金曜日に会いましょう??”
“そうですね。現実でも、いつか会えれば良いですね。では…”
“J61さんが退室しました。”
「あぁー、現実で会う…ねぇ。軽蔑されるに決まってるのに。こんな仕事だし…」
“エリアスさんが退室しました。”
「でも、会ってみたいな。」
エディは、このJ61という男に好意を持つようになっていた…
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