Baseballers
□猫☆猫V[penguin]
1ページ/4ページ
猫を抱いて、笑っているのは御柳だった。
何だか背景がピンク色で、ここは何処だと突っ込みたくなる。
「あ、帥仙さん!」
御柳は帥仙に気付き走り寄る。
御柳が抱いているのは、紛れもなく
今日、帥仙が埋めた──。
「御柳!」
「何怒ってんスか?それより見てください!猫ちゃんです!」
「っ、芭唐、その猫は!?」
その時、猫が口を開いた。
「……ありがとう」
御柳と共に笑って。
「帥仙さんに、お礼言いたかっただけだよね、ねこ」
芭唐の腕の中の猫はじっと茶色の瞳で帥仙を見つめる。
「…撫でてあげて下さい。ねこ」
「ねこ──」
帥仙は、ねこを撫でようとして止まった。
「…ストレートに猫って呼んでいいのか?名前は…」
「ねこですよ」
「じゃなくて、この『猫』の名前は?」
「だから、『ねこ』ですよぅ」
帥仙は意味を諒解した。
「……バカかお前は」
「あはは。良いじゃないスか。…撫でてやって下さいよ」
帥仙が手を伸ばし、柔らかい毛並を感じた瞬間。