記憶の破片
□失くしたモノ
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暗い…暗い……
どこまでも広がる闇
貴方はどこにいるんだろう?
僕の傍に座ってくれているのだろうか
それとも、もう……
ο記憶の破片ο
―失くしたモノ―
「ワンコ……!!」
誰かがそんな名前を呼んでいたと思う
お世辞にも良い名だとは思えない名前を、泣きそうな声で懸命に呼んでいる
「お願いやワンコ…ッ…目ぇ覚ましてくれや!!」
何だ…そのワンコって人はまだ眠ったままなんだ
そう言えば、僕もまだ眠ったままなのかな…辺り一面真っ暗だ…
少し…起きてみようかな……
「…………っ」
「ワンコ…?ワンコっ!!」
「……?」
あれっ…?
目を開けたはずなのに
まだ一面真っ暗だ
おかしいな…そうだ、さっきから叫んでるあの人に聞いてみよう
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