記憶の破片

□失くしたモノ
1ページ/3ページ



暗い…暗い……

どこまでも広がる闇


貴方はどこにいるんだろう?


僕の傍に座ってくれているのだろうか

それとも、もう……




ο記憶の破片ο
―失くしたモノ―



「ワンコ……!!」


誰かがそんな名前を呼んでいたと思う

お世辞にも良い名だとは思えない名前を、泣きそうな声で懸命に呼んでいる


「お願いやワンコ…ッ…目ぇ覚ましてくれや!!」


何だ…そのワンコって人はまだ眠ったままなんだ

そう言えば、僕もまだ眠ったままなのかな…辺り一面真っ暗だ…


少し…起きてみようかな……


「…………っ」

「ワンコ…?ワンコっ!!」

「……?」


あれっ…?

目を開けたはずなのに
まだ一面真っ暗だ


おかしいな…そうだ、さっきから叫んでるあの人に聞いてみよう



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ