記憶の破片

□罵声と謝罪
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"ごめんなさい"


「……ッ!?」


おずおずと伸ばされた手から…伝わってきたような気がした言葉

探すように宙を舞う手を奪うように握り締め、俺はただただ悲しみをぶつけるしか出来んかった…


「あほ…ッ…阿呆ワンコぉ!!」


自分が悪い訳やないのに謝る姿は、以前のワンコとなんら変わり無い…そのままのワンコ

阿呆ワンコ…そんな姿見せられたら……記憶無くして怒ってる俺が阿呆みたいやんか…!!


「ごめん…ゴメンなッ…犬丸……っ!!」

「……?」


"最後"に見たワンコが笑顔でいてほしかった

最後に見せた俺が…笑顔でおれば良かった……


もう…あん時みたいな笑顔を見る事も出来ひん…

ワンコの瞳に俺の笑顔を写す事も出来ひん……っ!!


「…ごめんなぁ…ッ犬丸…」








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