小説ですよ、アザゼルさん
□眠りのお姫様
1ページ/4ページ
今日は疲れたな…
バイト先の事務所の一角にあるパソコンとにらめっこしていたさくまはよほど疲れたのか、これまた事務所の一角にあるソファにへたり、と座る。
与えられた仕事がたった今終わり、何か飲みたい所だがキッチンに向かうのも面倒な程だった。
雇い主である芥辺は「夜には帰る」とだけ言い、昼ごろ事務所を出て行った。
芥辺不在の事務所は少しさみしいのでベルゼブブでも呼び出そうかと思ったが(アザゼルはいやらしいから選択肢から除外)、イケニエの用意を何もしていない事を思い出し諦めたのだった。
「芥辺さん帰ってこないなぁ…」
時刻は午後9時半
仕事の最終確認をしてもらう為にも、芥辺が帰ってくるまで上がることはできない。
11時までに芥辺が帰ってこなかったり、単身出張の時は例外だが、夜には帰ると言われた手前、帰宅する事はできない。
「ちょっとだけ…ちょっとだけ横になろう…」
大学のレポートを仕上げるために昨晩徹夜した身は睡魔に勝てそうもなかった。
モロクのぬいぐるみを枕にし横になると、一瞬で目の前が暗くなり、そのまま意識を手放した…