fairy tale

□05
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堅苦しい挨拶も終わって、いよいよご飯にありつけるという時に、広間の扉が蹴破られた。




「皆様、お待ちください!食事会は中止です!」




運ばれた料理を目の前に、それはないだろう。


不機嫌になった俺は、何かと扉の方を見る。




「なんだ、どうした」



阿伏兎が聞く。




「先程、不審な動きをする者共を捕まえ問いただしたところ、毒殺を謀って毒入りのものを食事に混ぜたと白状しまして」





辺りがざわめいた。お偉いさんがたは、パニックみたいだ。

こりゃ、春雨のメンツも潰れたな。





「林檎に混ざっているそうです、誰か食べられた方はいらっしゃいますか?」




下っ端の団員は汗だくになって言っている。大変だね。



あ、やべ、俺が今食べようとしたのその林檎じゃん。


危ない危ない。






「オイ、わし 林檎食べちまったぞ!」




どこぞのお偉いさんが俺の隣で焦り始めた。


下っ端団員はすぐかけよってきて、お偉いさんが食べ残した林檎の芯を見る。




「あぁ、大丈夫ですよ。毒入りのはヘタの付け根がねじれていると言っておりましたから」





聞いたことある。
どっかの星でとれる、毒リンゴだ。そっくりだから、見分けるポイントはヘタとかなんとか言ってたっけ。





「ん?その林檎なら見たな俺」




後ろでボソリと呟く声。
振り向けば、料理を運んできた団員。





なんか面倒くさくなってきた。

俺は巻き込まれる前に、と席を立った。
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