shangrila short

□ショコラッテ
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*過去拍手小説
ショコラッテ   *バレンタインねた




「ね、ね、団長」

「何?」

「あのー、…バレンタインってご存知ですか?」


てっきり 知らないヨ という返事が返ってくると思ったのに、


「あぁ、女共が俺に食べ物貢いでくる日でしょ?ホント助かるよネー」



否定はできないけど、肯定もできない。
でもまぁ、この日の存在は知っていたようだ。

問題は どうやら、団長の中ではバレンタイン=食べ物貢がれて助かる日 と解釈されてる事なんだけど。

え、つまり、丹精込めて作ったチョコも団長にとっては腹を満たすためのなんか茶色いもの、になるわけでしょ?
だってさっき、チョコのこと食べ物って言ってたもん。チョコがチョコだって認められてないんだもん。


「何?もしかして貢いでくれるの?」

「は、え いやー、んんー」

「何その返事。貢いでくれるよネ?ま、貢いでくれなきゃアレするけど」


アレってドレェエエ!
怖いんですけども!まだ 殺すとかストレートに言われた方がマシなんだけども!


ホラ、と甘い笑顔で迫る団長。
さっさとよこせってか。

はは、と苦笑いしたが 団長はまた一歩私に近寄った。


背中に壁。逃げ場のない状況に追い詰められた私は、仕方なく後ろ手に持っていたモノを団長に押し付けた。


「は、はい!チョコですチョコ!」

「…いらないヨ」

な、ななななな!
こんなにねだっといて要らないだなんて!目の前でフられた…

ショックのあまりそのままフリーズしていると、団長は私を見て笑った。


「いいね、可愛い」

「…!んぐ」


団長の顔が突然迫ってきたかと思ったら、何か柔らかいもので口を塞がれた。


団長にキスされてる、そう気づいた時に 口に団長の舌が入り込んできた。

驚いたままの私の口の中に、更にどろっとした甘いものが入る。

チョコだ。

そう分かった時、不意に団長が私から離れた。

「ね?逆チョコ」

「え?あぁ……え!?」

「ねぇ、同じことしてヨ」



fine.
 

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