icebound shangrila

□01
2ページ/3ページ



翌朝、私は目覚ましでは起きなかった。


まだ寝たいと思う中、起きざるを得ない状況にいたのだ。



何故か 身体中がミシミシする。背中とか腰とか足とか 凄く痛い。それにカナリ寒い。



なんでだ。

ベッドから落ちたのかな。私そんなに寝相悪くない筈なんだけど。



仕方なく目を開けてみると、


「あれ。やっぱ床じゃんココ」



寝呆け半分で四つん這いになり(身体中が痺れて立てない)、ベッドの方角に向かった。


が、なかなかベッドに辿り着けない。
おかしいな。こんなに私の部屋って広かったっけ。


四つん這いだから床しか見えてないけど、心なしかフローリングの色も質も違うように見える。


そんな事を考えていたら、鈍い音と共に おデコを硬い何かにぶつけた。


ベッドじゃないソレは、椅子だった。


「てか何だこの椅子。見たことない」



ふと視線を横にずらすと、ベッドが目に入った。

あれ、私のベッドって白かったっけ なんて思いながらもイソイソとベッドに向かった。



さぁ寝るぞ とベッドに乗ろうとしたら、
先客がいた。




………先客?





…え、先客?








いやいや、私の部屋だよね私のベッドだよね。





じゃあ先客って何。











「ぎぃああああああぁぁぁっ‼不審者ァァア!」


私の雄叫びに、先客 じゃねーや不審者が布団の中でビクリとしたのが分かった。


私は近くにあった見知らぬスリッパを手に、ベッドの主へ攻撃を繰り出した。


「何してんだァァ!安眠妨害してェ‼どうなるか分かって、」




続きが言えなかった。


私の首に不審者の手が食い込んで 声どころか空気まで遮断されたのだ。


バシバシとその手を叩いてみたが、一向に力が緩む気配が無い。寧ろ強くなる一方で。



こいつは私を殺すきかもしれない、そう思って涙目になっていた時、ベッドの主が口を開いた。



「朝っぱらから何。殺されたいの?」



前半は私の台詞の筈だよね。
ていうかやっぱり殺す気なんかい。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ