icebound shangrila
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「終わったー!」
ぴっかぴかになった床を満足気に眺めていると、
「いちいち煩い」
と団長さんがぴしゃりと言った。
「うぅ…」
せっかく頑張ったのに、刺さる言葉を更に突き刺してくる団長さん。
あぁ、私はこれからこの人の下で働き続けなきゃいけないんだ。
アレ、おかしーな。
目が霞んで何も見えない。
なんでこんなに視界が滲んでるんだろ。
あ、目から鼻水出ちゃったのかな「つまらないことしてないでいいから、早くその見苦しいジャージ脱ぎなヨ」
「ぬ、脱げだなんて!乙女に向かって何て事ををを」
「殺されたいの?アンタの体になんか毛ほども興味ないから。着替えろって言ってんの」
そんなさげすんだ目で見ないでください。私 ずっと女子校だからウブなんですよ。
仕方なくこれから私が寝泊まりする部屋、もう部屋じゃなくて区画になってるけど、そこに歩いていってタンスを失礼して開けさせてもらった。
すると一番上に地味な いかにもという雑用服を発見。
引っ張り出してみると、雑用服には所々シワがよっていた。
アイロンちゃんとかけろよコレ。
そこを手で撫で付けてみたが、効果ははない。
はぁ、とため息一つ零して 着ようかと思った時、視線を感じて振り向いた。