icebound shangrila
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がちゃ、
「ふぁーいい湯だったわー」
パタパタとスリッパを履いて脱衣所から出る。
「あれー、団長?」
キョロキョロしていると、どこからか寝息が聞こえてきた。
見れば、真っ白の大きなベッドで大の字になって寝ている団長の姿。
「わぁーぐっすりだ」
本当に寝てるみたいだ。
だって、目の前で 立てた親指下に向けても、中指立てても怒らないもんホラ。
「静かにしてればもの凄くかっこいーんだけどなぁ、この人ベラベラ憎まれ口叩くからなぁ、」
勿体無ーい、と言おうとした瞬間、ぱかっと開かれた団長の青い目。
驚いて体を仰け反らせた私は、さっきまで異常な程、団長を間近で見ていたということに気が付いた。
変態か。
むくっと起き上がると、目をこすりながら此方を見やる団長。
「なに、俺の寝込みでも襲おうとしたの?」
「いやしてねーしっ!しねーしっ!そんな飢えてねーしっ!」
「俺は飢えてんだけど、」
低い声でそう言ったかと思うと、腕を凄い力で引っ張り そのまま団長のベッドにダイブさせられた。
え、てかこの人今 なんつった?
え、どゆこと。なに。なんなのマジ。
てかなんで団長に見下ろされてんの。なんで団長の背景真っ白な天井なの。なんで天井なの。