icebound shangrila
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「あああー」
「何いきなり」
「家に帰りたいです」
「ホームシック?情けない奴だネ」
「うぅ…」
いやいや、アンタと一緒に居たら誰だってそうなるから。
ああぁマジ帰りたい。帰ってコーラ浴びるほど飲みたいお気に入りのウサギのぬいぐるみで超モフモフしたいプリンやけ食いしたい。
「ホーム……ね、団長の家って?」
「無いヨそんな物」
「え、うそん。家族がいるでしょ家族が!」
「居ないヨ。もう俺とは関係ないんだ」
「えー。もしかして家出少年?」
「黙りなヨ。雑巾口にぶち込むヨ?」
「すいませんした」
いきなり不機嫌になった団長。
なんなんだそんなに嫌なのかホーム。
はぁ、と本日何度目か分からない溜め息をつき、再び団長が食い散らかした机の上を掃除する。
皿も何枚か割られたし、床にまで食べ物こぼされたし、ソレを踏んじゃったしで とにかくヒドイ状況だ。
四つんばいになって床を拭いていたら、突然 部屋が大きく揺れた。
「うわっ!?」
爆発音も聞こえる。
何が起きたのか全くわからない状態のまま、私はなす術もなく、床中を転げ回った。
「ぎゅわああああ!目が回るゥ!誰か私を止めてェェエエエぐほっ」
ゲシッと団長の足が私の腹に食い込んで、ゴロゴロ転がる私の体を止めた。
もっと繊細に扱ってほしかったな。
コレ、お礼言うべきなのか。ゲロりそうなんだけども今まさに。