icebound shangrila
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「着いたぁああああ!」
キッツキツの小型船を降り、両腕をグッと空に向かって伸ばして叫んだ。
身体中ミシミシだよったくもー。
「大人しくしてなヨ馬鹿雑用」
そんな私の頭を後ろから小突く団長。ホント口悪いよなコイツ。
「阿伏兎、俺のマントちょうだい」
「おらよ、」
受け取ったマントを優雅に羽織る団長。んだよ動作が一々無駄にカッコいいんだよ。
にしても蒸し暑い。
遠くの方に太陽が見えた。久々に見る。
地球じゃないらしいこの星は、まるで熱帯地域みたいだ。
だってホラ、真っ青なビーチとかあるし熱帯植物うじゃうじゃだし。
なんかリゾート地みたい。
冥王星位の大きさらしいけど、例の取引先の金持ちオヤジしか住んでないらしい。
凄くね?
私がキョロキョロ辺りを見回していると、阿伏兎さんに頭をガシッと掴まれた。
「団長から離れるなっつったろ?ホラ早く後ついてけ」
軽く押されてつんのめった私は、団長の背中にそのまま飛びついてしまった。
ビクリ、と背中が揺れて予想通りの笑顔が振り向き 私を見下ろす。
「離れるなとは言ったけど、くっつき過ぎキモイ」
「いやコレは違いますからわざとじゃないですからコレ」
「煩いから離れろ馬鹿」
「わ、ちょっと待って下さいって!靴が半分脱げた!」
知るか、と容赦ない言葉を浴びせて私を押し返す団長。と、そこへ誰かの声。
「おおー!これはこれは神威殿!今回は女連れですか!」