icebound shangrila
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「酌しなヨ」
お酒をがぶ飲みしてるダブツさんの醜態に見とれていると、団長が突然言った。
「え?団長だって未成年でしょ?」
「だから?」
「え、いや…まぁいいか」
細かい事は考えないようにしよう。
早くしろと言わんばかりに突きつけられた杯に、近くにあったお酒のボトルの口を当て 注ぎ入れた。
「真っ赤ですね、血みたい」
「葡萄酒か何かじゃない?」
団長はそれを一気に飲み干し、また私に杯を傾ける。
「よく飲みますねー」
そう言ってまたお酒をつぎたす。それを5、6回ほど繰り返した頃には ダブツさんはぐでんぐでんに酔っ払っていた。一方、団長は顔色一つ変わっていない。どうやらカナリの酒豪のようだ。
「ん、俺が特別酌してあげるからお酒飲むかい?ポチ」
「ポチって呼ばないでくださいよ恥ずかしい!」
「なんだヨ、気に食わなかったの?じゃぁ……定春」
「いやもうそれメスですらないじゃないすか。性別まで偽らせるつもりですか。てか、そういう問題じゃありませんし」
「じゃぁどういうもんだいなの」
「全部ひらがなになってますよ団長。酔っ払ってるんですか」
「しつもんにこたえなよ。どういうもんだいなの」
やべーよ酔っ払った団長クソめんどくさいよ何この人。
いつも以上にしつこいし あーめんどくせ。
「ホラ、注いであげたヨ。お飲みポチ」
「な!?、ぐぼっがぼがは」
「どう?美味しいだろ?」
「げほげほげほげほ」
「そんな慌てて飲むから咽せるんだよポチバカ」
腹立つゥ!話し方も通常に戻ってるし!さては酔っ払ったフリか!